
ファイザーは24日、抗TFPIモノクローナル抗体血友病治療薬「ヒムペブジ」(一般名:マルスタシマブ[遺伝子組換え])を発売したと発表した。
同剤はプレフィルドペン型の注入器を用いて、体重換算の必要がない固定用量で、週1回皮下へ自己投与する製剤である。従来の治療法に代わりうる選択肢として、12歳以上かつ体重35㎏以上の、血液凝固第VIII因子または第IX因子に対するインヒビターを保有しない血友病Aと血友病Bの患者の治療負担を軽減し、QOLの向上に貢献する。
ヒムペブジは、成人および青年のインヒビターのない血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏)または血友病B(先天性血液凝固第IX因子欠乏)患者を対象とした国際共同P3試験(BASIS試験)の結果等に基づき、「血液凝固第VIII因子または第IX因子に対するインヒビターを保有しない先天性血友病患者における出血傾向の抑制」に関する製造販売承認を2024年12月27日に取得した。
同剤では一定数の症例が集積されるまで、同剤が投与されたすべての患者を対象とした、特定使用成績調査(全例調査)を実施する。なお、同剤は2022年2月25日、厚労省から、「インヒビターを保有する先天性血液凝固第VIII因子又は第IX因子欠乏患者の出血傾向の抑制」を対象とした希少疾病用医薬品の指定を受けている。
◆宮原京子ファイザー取締役執行役員スペシャルティケア部門長のコメント
週1回皮下投与の利便性を備え、国際共同第3相試験で有効性と安全性が確認されたヒムペブジが、本剤の適応対象となる血友病AおよびBの患者さんの治療の新たな選択肢として、QOLの改善に少しでも貢献できれば幸いである。当社は今後とも関連学会および医療従事者と協業し、透明性の高い情報提供を通じ、本剤の適正使用の推進とを進めていく。また、血友病関連情報ウェブサイトを通じ、患者さん、ご家族、医療従事者のお役に立てる有益な情報を提供していきたい。