京都府薬総会で河上会長再任 在任6年間の事業を継続して課題解決にも道筋 

河上氏

 京都府薬剤師会は23日、同会館で2024年度第25回臨時総会を開催し、河上英治氏(62歳)を会長に再任した。河上会長は4期目となる。また、同会最大の課題となっている‟会館問題”については、「現会館が立地する借地を京都市から購入し10年後移転する」方向性を確認。2025年度予算及び事業計画も承認した。
 河上会長は、「薬機法の改定、医療DXの進展など薬剤師を取り巻く環境は激しく変化している。薬局薬剤師と病院薬剤師の連携、薬剤師と他職種との連携などに加えて薬剤師確保に向けた取組も極めて縦横である」と指摘。その上で、「6年間の会長在任中に取り組んできた事業を継続し、薬薬連携を深化させ、京都で開かれる第58回日薬学術大会を成功裏に導き薬剤師確保に道筋を付けるなど事業を停滞させることなく進展させたい」と決意表明した。
 京都府薬剤師会では、現在、2025年10月12・13日の両日、京都市で「そうだ、薬剤師に聞いてみよう」~プロフェッショナリズムの涵養(かんよう)~」をメインテーマに開催される日本薬剤師会学術大会に向けての準備を進めている。
 一方、京都府薬の会館問題は、現会館が立地している京都市からの借地の賃借料が、昨今の地価上昇の影響を受け、2021年以降の上昇が著しく、今後も上昇が推察されることに起因するもの。20年先を考えると会館運営が経済的に厳しい状況下にある。
 そこで、現会館土地を京都市から購入し、10年後に移転する方向性が確認された。2024年9月概算によれば、現会館土地購入額は7億2000万円(更地価格の50%、最終決定額ではない)。
 総会では、京都市から土地を購入し、土地購入を含めた会館整備に伴い、2025年4月から保険薬局が「会館整備協力金」を負担することが承認された。
 京都府薬の2025年度予算は、収入合計11億6846万8000円(内借入金収入6億5000万円)、支出合計が11億9846万8000円(内土地取得支出7億3905万600円)。収支差額の3000万円は、前期繰越収支差額で補填する。
 事業計画は、2024年度の計画に設定された大・中・小項目のそれぞれの項目において、目標として「患者・府民本位のより良い医療の実現」を掲げ、それに向かって、薬局薬剤師部会、病院診療薬剤師部会、学校薬剤師部会に係る事業計画を大・中・小項目及び小項目についての具体的執行内容によって分類し、明示している。大項目における事業計画は次の通り。
 
 ◆連携強化=地域包括ケアシステムの構築、病院・診療所・薬局の情報共有および在宅医療の推進に向けた薬薬連携の推進・強化を行う

 ◆薬局強化=患者のための薬局ビジョン実現に向けた掛かり付け薬局、健康サポート薬局、地域連携薬局及び専門医療機関連携薬局の推進・強化を行う

 ◆病院強化=タスクシフティングの推進、入退院支援や周術期業務等の強化と薬剤師の確保・地域偏在に対応する

 ◆職能の充実=公益性の高い事業への積極的関与を通じた職能充実を推進する

 ◆組織強化=質の高い医療の実現を目指した組織強化や情報活動を展開する

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