参天製薬は13日、開放隅角緑内障・高眼圧症の治療点眼剤「Rocklatan」をシンガポールで発売したと発表した。2023年7月の保健科学庁(Health Sciences Authority)による承認を経て、シンガポールの現地法人であるサンテン・ファーマシューティカル・アジア・プライベート・リミテッドより発売したもの。
参天製薬がアジア事業地域において同剤を販売するのは、シンガポールが初めて。なお、同剤は、現在、ドイツやオランダ、北欧諸国等17カ国においてRoclandaの名称で販売されている。
緑内障は、視野欠損につながる視神経の損傷を引き起こし、多くの国において視力低下や失明を含む視覚障害の主な原因となっている。緑内障性の視神経損傷や視野欠損は、進行性かつ不可逆性であり、緑内障の治療では、早期発見・治療によって損傷の進行や視野欠損をコントロールすることが不可欠だ。
緑内障の患者数は、2040 年には世界で1億1180万人に増加すると予測されている。また、アジア(日本、中国等を含む)における緑内障の患者数は、2040年までに8000万人を超えると予想されている。
緑内障による視野障害の進行を抑制するためのエビデンスに基づく唯一確実な治療法は眼圧下降とされている。Rocklatanは、Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジンF2誘導体の固定用量配合剤で、主にRho キナーゼ阻害剤またはプロスタグランジンF2α誘導体の単剤療法で十分な眼圧下降効果が得られなかった開放隅角緑内障・高眼圧症の患者を対象に眼圧の低下を目的として使用される。
Rhoキナーゼ阻害剤であるネタルスジル(200 µg/mL)と、プロスタグランジン誘導体であるラタノプロスト(50µg/mL)を組み合わせたRocklatanは、線維柱帯流出路とぶどう膜強膜流出路の両方を介して房水流出量を増加させることによる相補的な作用機序により眼圧を低下させる。
◆吉田智行参天製薬アジア事業統括のコメント
緑内障は、失明の主な原因の一つであり、多くの人がこの深刻な病気に悩まされている。参天製薬は、緑内障患者さんに寄り添い、この病気に対する包括的な治療法の提供を目指している。
Rocklatanは、患者さんと医師の両方にとって貴重な選択肢である。患者さんと社会に貢献できることを誇りとして、今後も Happiness with Vision の実現を目指して取り組んでいく。