「空飛ぶクルマ」活用した医薬品輸送実証実験で災害現場への移送の可能性示唆 メディパルホールディングス

 メディパルホールディングスは10日、「空飛ぶクルマ」を活用した医薬品輸送を検証する実証実験において、自然災害発生時における医薬品緊急出荷等への対応、医療従事者の災害現場への移送の可能性が示唆されたと発表した。
 同実証試験は、同社連結子会社のメディセオ、三菱倉庫、エアバスの3社共同で実施しているもの。大阪府、大阪市と兵庫県の「空飛ぶクルマ社会実装促進事業」に応募し採択されたことを受けて、昨年12月18日から20日にかけて「空飛ぶクルマ」(eVTOL(電動垂直離着機))の航空医療分野での活用を検証する実証実験が行われた。
 医療物流においては、製薬企業が製造した医薬品を医療機関のもとに安全・安心に届ける必要がある。特に、大規模自然災害の発生時には、医療関係者や行政関係者と協力のうえ医薬品の供給体制を緊急かつ継続的に維持することが重要である。こうした中、垂直離着陸・電動・自動運転という新たな特徴を有する「空飛ぶクルマ」が医薬品の移送手段として注目を集めている。
 同実証実験では自然災害が発生したという前提で、「空飛ぶクルマ」を模した最新鋭の ヘリコプターを活用し、大阪府と兵庫県の都市部、山間部、離島等3ルートにおいて医薬品の輸送や医療関係者の移送を実施した。
 その結果、目標とした「必要な関係者および緊急時の諸手続きの事前把握」「社会実装時にスムーズな連携を図る準備」について確認できた。
 同実証実験においてエアバスは、航空業界で培ったノウハウを基に開発したヘリコプターによる迅速で確実なシミュレーションを担った。メディセオは、過去の経験から災害時における医薬品配送手順の策定及び検証、エリアの医療機関との調整を行った。
 三菱倉庫は、大阪支店桜島第一営業所の岸壁エリアをバーティポート(場外離着陸場)として提供した。
 同実証実験を通じて、空飛ぶクルマの活用による自然災害発生時における医薬品緊急出荷等への対応、医療従事者の災害現場への移送の可能性が示唆された。
 今回の結果を受けて3社は、各行政との連絡体制、飛行申請・バーティポートの許可等申請手順の確認を行い、社会実装に向けてさらなる検討を進め、航空医療分野での社会貢献を目指す。
   

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