オプジーボ・ヤーボイ併用療法 CHMPが成人肝細胞がん一次治療で承認推奨 小野薬品

 小野薬品は3日、オプジーボとヤーボイの併用療法について、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が切除不能または進行肝細胞がん(HCC)成人患者のファーストライン治療選択肢としての承認を推奨したと発表した。
 提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が1月31日に公表したもの。CHMPの見解は、今後、欧州連合(EU)で医薬品を承認する権限を持つ欧州委員会(EC)によって審査される。
 同承認推奨は、P3相CheckMate -9DW試験の結果に基づいている。昨年6月、2024年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会 において、同試験の主要評価項目である全生存期間(OS)で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した結果が発表された。
 同試験において、OSの中央値は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で23.7カ月(95% 信頼区間 [CI]: 18.8 – 29.4)、治験担当医師が選択したレンバチニブまたはソラフェニブ群では20.6カ月(95% CI: 17.5 – 22.5)でした(ハザード比 [HR] : 0.79(0.65 – 0.96); p=0.018)。このOSのベネフィットは、臨床的に関連する患者のサブグループ全体で認められた。
 オプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告されたデータと一貫しており、確立されたプロトコールによって管理可能であり、新たな安全性シグナルは認められなかった。
 また、昨年8月には、米国FDAが、切除不能なHCC成人患者のファーストライン治療選択肢として、オプジーボとヤーボイの併用療法の 生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)を受理し、処方箋薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了の目標期日を本年4月21日に設定した。
 オプジーボとヤーボイの併用療法は、P2相CheckMate-040試験の結果に基づき、2020年にFDAにより迅速承認され、進行HCC患者のセカンドライン治療薬として確立している。

◆Dana Walker BMSバイスプレジデント兼オプジーボ開発担当グローバルプログラム責任者(M.D.、M.S.C.E.)のコメント
 肝細胞がんは、EUを含む世界中の地域において肝がんの中で最も一般的な型であり、進行または切除不能な肝細胞がんと診断された場合、既存の治療法による患者さんの予後と生存期間は依然として不良な状態にある。
 今回のCHMPの肯定的な見解を受け、患者さんへの新たな治療選択肢の提供に向けて大きく前進することができた。今後の欧州委員会の審査により、切除不能または進行肝細胞がんの成人患者さんの治療選択肢が広がる可能性に期待を寄せている。

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