次期CEOにジュリー・キム氏 来年6月に就任予定 武田薬品

 武田薬品は30日、現在同社U.S.ビジネスユニットプレジデントのジュリー・キム氏が次期CEO(最高経営責任者)に昇格する人事を発表した。同人事は、同日開催の取締役会が全会一致で決議したもの。来年6月の株主総会を経て、クリストフ・ウェバー現代表取締役社長CEOの後任として就任する。なお、ウェバー氏は同総会の終了時をもって同社取締役を退任する。
 キム氏は、「武田薬品は優れた企業であり、そのリーダーに選ばれたことを大変光栄に思う。クリストフCEOの素晴らしいリーダーシップの下、当社は有望な後期パイプラインを持つグローバルなバイオ医薬品企業となった」と強調。その上で、「私は240年以上の歴史に根ざした揺るぎない価値観に基づく文化を守りながら、優れた才能ある仲間と共に武田薬品を次のフェースに導くことに胸を膨らませている」とコメントした。
 ウェバー氏は、「この数年間、取締役会と協力しながら円滑な後継者計画を進めてきた」と明かし、「今後の高い成長見通し、2026年後半以降に見込まれる新製品の上市、および今後数年間で予想される社外取締役の交代を考慮すると、今が後継者を指名する適切な時期である」と今回の社長人事を説明した。
 キム氏は、同社U.S. ビジネスユニットプレジデントおよびU.S.カントリーヘッドで、タケダ・エグゼクティブチームのメンバーである。 U.S.ビジネスユニットのポートフォリオは、消化器系疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、血漿分画製剤、希少疾患にわたる。
 シャイアー社で数々の責任ある任務を担い、2019年のシャイアー社買収によりタケダに入社。プラズマ デライブド セラピーズ ビジネスユニットのプレジデントを務めたのち、2022年4月に U.S.ビジネスユニットのプレジデントおよびU.S.カントリーヘッドに就任した。
 30年におよぶヘルスケア領域での経験をもとに、グローバルや地域、国、部門など様々なレベルでのリーダーポジションを歴任し、多岐にわたる疾患領域、国際市場アクセス、国や地域のジェネラルマネジメント、マーケティングや新興市場開発などの職務経験を有している。
 2023年には、地域を支えるリーダーとしてマサチューセッツ州知事が主導する経済開発計画評議会にライフサイエンスワーキンググループのリーダーとして参加し、ライフサイエンス業界が州の経済成長を牽引し続ける方法について行政に提言。また、ボストン市長から、市内で最も象徴的で広く親しまれている機関の1つであるボストン公共図書館の評議員に任命された。
 韓国系アメリカ人協会のメンバーであり、米国研究製薬工業協会(PhRMA)およびクローダ社の取締役も務めている。米国ノースウエスタン大学のJ. L.ケロッグ経営大学院でMBAを、ダートマスカレッジで経済学の学位を取得した。ボストンで家族とともに暮らしている。

タイトルとURLをコピーしました