症状TOP3は疲れ・だるさ、目の疲れ、頭痛気象変化と連動した「なんとなく不調」を感じる人が64.5%
ツムラは、20代〜60代の男女3,000人を対象に「第5回 なんとなく不調に関する実態調査」を行った。ツムラでは、自覚しながらもつい我慢しがちな症状や、調子が悪いものの病名の診断がつかない症状の総称を「なんとなく不調」と定義し、2021年より「なんとなく不調」に関する生活者調査を行っている。2024年、「なんとなく不調」を感じた人は78.3%で調査開始からの5年間を振り返ると、一環して約8割もの人が「なんとなく不調」を経験している。
また、気象の変化が「なんとなく不調」に影響すると感じる人は全体の64.5%で、20代女性では81.0%と多くなっている。調査概要、主な調査結果、調査結果の詳細、調査結果における齋藤晶氏(日本東洋医学会漢方専門医)のコメントは次の通り。
「第5回 なんとなく不調に関する実態調査」 調査概要
◆実施時期:2024年11月25日(月)~2024年11月26日(火)
◆調査手法:インターネット調査
◆調査対象:全国の20代〜60代男女3,000人(性年代別に各300人ずつ、男女各1,500人)
◆調査委託先:マクロミル
【主な調査結果】
2024年、20代〜60代の約8割が「なんとなく不調」を経験
・2024年、全体の78.3%が心身の「なんとなく不調」を経験。「第1回 なんとなく不調に関する実態調査」を実施した調査対象者20代~40代男女で比較すると、「なんとなく不調」を感じる人が11.2ポイント増加。
・「なんとなく不調」を感じるのは、男性(73.9%)より女性(82.8%)に多く、20代女性(87.0%)が最多。
・「なんとなく不調」を感じる日数は1カ月で平均11.2日と昨年(9.5日)より長い。1カ月の3分の1は「なんとなく不調」状態。
・感じる症状は「疲れ・だるさ」「目の疲れ」が同率1位で、「頭痛」「肩こり」「寝つきにくい・目覚めが悪い・眠りが浅い・不眠」の順。
・症状を感じる原因は、「やる気や元気が出ない」「睡眠不足」「気温の寒暖差が激しい」が上位に。前回と比べ、「気温の寒暖差が激しい」「気圧の変化」と答えた人が増加。
・「なんとなく不調」の症状に対し42.2%の人が「対処はしていない」。
2024年、6割以上が気象の変化が「なんとなく不調」に「影響する」と回答
・20代〜60代の男女の64.5%が気象の変化が「なんとなく不調」に「影響する」と回答。20代女性は81.0%と最多。
・特に影響するのは、「気圧の変化(特に低気圧時)」「季節の変わり目」「急激な温度変化」。
・「なんとなく不調」を感じる月は「6月」と「11月」。
2025年も約8割が「なんとなく不調」を感じると予想、症状は「目の疲れ」「疲れ・だるさ」
・2025年、全体の約8割(79.8%)が心身の「なんとなく不調」があると予想。気象が原因の「なんとなく不調」は69.0%。
・「なんとなく不調」が予想される症状は、「目の疲れ」「疲れ・だるさ」「肩こり」「寝つきにくい・目覚めが悪い・眠りが浅い・不眠」。
【調査結果の詳細】
2024年 約8割が感じた「なんとなく不調」 2020年と比較すると11.2ポイント増加
ツムラでは、自覚しながらもつい我慢しがちな症状や、調子が悪いものの病名の診断がつかない症状の総称を「なんとなく不調」と定義し、2021年より「なんとなく不調」に関する生活者調査を行っている。
約8割が心身の「なんとなく不調」を経験 20代女性は87.0%が自覚
20代〜60代の男女3,000人を対象に、2024年の1年間を振り返り、日常生活で心身になんとなく調子が悪いと感じることがあったかと聞いた。すると「非常によくある」(18.8%)、「時々ある」(30.9%)、「たまにある」(28.6%)と答え、合計で78.3%と、約8割が「なんとなく不調」を感じている。調査対象が20~40代男女だった2020年「第1回 なんとなく不調に関する実態調査」(69.6%)と同じく20~40代男女で比較すると、今回は80.8%と「なんとなく不調」を感じる人が11.2ポイントも増加している。
心身に「なんとなく不調」を感じる人は、男性(73.9%)より女性(82.8%)に多く、女性20代(87.0%)・30代(86.0%)・40代(86.7%)は8割を超え高くなっている[図1]。
「なんとなく不調」の経験
Q.2024年1年間を振り返り、日常生活で心身になんとなく調子が悪いと感じることはあったか?
「なんとなく不調」を感じる日数は男女とも微増 1カ月のうち11.2日は「なんとなく不調」状態
2024年に心身の「なんとなく不調」を経験した2,349人に、1カ月間に「なんとなく不調」を感じた日数を聞くと、平均で11.2日(2023年9.5日)、男性は10.3日(2023年9.0日)、女性は12.0日(2023年10.0日)となった。
1カ月のうち11.2日とおよそ3分の1は「なんとなく不調」を感じており、前回より「なんとなく不調」を感じる日数が男女とも長くなっている[図2] 。
「なんとなく不調」を感じる症状・原因 症状1位は「疲れ・だるさ」「目の疲れ」、原因1位は「やる気や元気が出ない」
「なんとなく不調」を感じる症状 TOP3「疲れ・だるさ」「目の疲れ」「頭痛」
心身の「なんとなく不調」を経験した2,349人に具体的な症状を聞くと、「疲れ・だるさ」「目の疲れ」(同率52.6%)、「頭痛」(49.9%)、「肩こり」(48.6%)、「寝つきにくい・目覚めが悪い・眠りが浅い・不眠」(41.4%)が上位となった。
2022年、2023年調査でも、「疲れ・だるさ」「目の疲れ」「肩こり」「頭痛」「寝つきにくい・目覚めが悪い・眠りが浅い・不眠」が、「なんとなく不調」の症状の上位であり、「なんとなく不調」の症状に大きな変化はないが、今回は前回1位の「疲れ・だるさ」と並んで「目の疲れ」が同率1位となり、前回と比べ2.9ポイント増えている[図3]。
「なんとなく不調」の原因 TOP3「やる気が出ない」「睡眠不足」「気温の寒暖差が激しい」
「なんとなく不調」の症状を感じる原因を聞くと、「やる気や元気が出ない」(37.1%)、「睡眠不足」(37.0%)、「気温の寒暖差が激しい」(36.1%)が上位に挙げられた。
前回と比べ「気温の寒暖差が激しい」(2023年33.2%→2024年36.1%)と答えた人が2.9ポイント、「気圧の変化」(2023年21.3%→2024年23.3%)と答えた人が2.0ポイント増えている[図4]。
性年代別の「なんとなく不調」を感じる症状 20代・30代は男女とも「頭痛」が1位
「なんとなく不調」を感じる症状
男性と比べ女性のスコアが高く、女性は「なんとなく不調」を感じやすい
性年代別に「なんとなく不調」の症状を見ると、男性は20代・30代が「頭痛」、40代が「目の疲れ」「疲れ・だるさ」、50代が「目の疲れ」、60代が「腰痛」、女性は20代・30代が男性と同様に「頭痛」、40代が「疲れ・だるさ」、50代が「肩こり」、60代が「目の疲れ」が、それぞれ1位となった。全体的に、男性と比べ女性のスコアが高めで、女性の方が「なんとなく不調」を感じやすいようだ[図5]。
「なんとなく不調」の症状に対し、4割以上が「対処はしていない」 対処しない人は「不調が悪化しどうしようもなくなったら対処する」
「なんとなく不調」の症状に対し4割以上が「対処はしていない」と回答
市販薬を服用する人は約6割が不調を感じたら「都度服用する」が、病院に行く人は「重くなりそうになって受診」
心身の「なんとなく不調」を経験した2,349人に、「なんとなく不調」の症状にどう対処したかと聞くと、約3割が「運動、食事などの生活習慣を改善するよう心掛ける」(33.5%)、約2割が「病院を受診する・医師の診察をうける」(21.2%)、「ドラッグストア等で市販薬を購入、服用する」(19.8%)と答えているが、4割以上が「対処はしていない」(42.2%)と答えている[図6-1]。
また、「なんとなく不調」の症状に市販薬や病院で対処すると答えた人に、それぞれのタイミングを聞いた。市販薬を服用すると答えた人は約6割が「不調を感じる都度服用する」(58.4%)と答えているが、病院を受診すると答えた人は、約6割が「不調の程度が重くなりそうだと思った時に」(63.7%)やっと受診している[図6-2]。
「なんとなく不調」の症状を感じても対処していない人が対処しようという気持ちになるのは「不調が悪化し、どうしようもなくなったら」が最多。悪化するまで対処しない人が多い!?
心身の「なんとなく不調」の症状に対処しないと答えた991人に、どのようになれば対処しようという気持ちになるかを聞いた。その結果、「不調が悪化し、どうしようもなくなったら」(32.2%)、「費用負担がなければ」(25.2%)、「対処法がわかったら」(20.3%)が上位に挙げられた[図6-3]。
なんとなく不調を感じながらも、症状に対処していない人は、不調が悪化しどうしようもなくなってからやっと…という人が少なくないようだ。
2024年 気象と「なんとなく不調」の関係 6割以上が気象の変化が「なんとなく不調」に影響すると回答
2024年は、暑さだけでなく、低速台風やダブル台風の発生など、例年とは異なる気象状況が見られた1年であった。同調査でも、「なんとなく不調」の症状を感じる原因として36.1%が「気温の寒暖差が激しい」(図4)と答えていることから、2024年の気象の変化は「なんとなく不調」にも影響をもたらしているようだ。気象の変化と「なんとなく不調」の関係について調べてみた。
64.5%が気象の変化は「なんとなく不調」に「影響する」と考えており、20代女性は81.0%とさらに多い
心身の「なんとなく不調」を感じる時、気象の変化が影響すると思うかと聞くと、「非常によく感じる」(9.6%)、「時々感じる」(23.7%)、「たまに感じる」(31.2%)となり、合計で64.5%が気象の変化が「なんとなく不調」に影響していると考えている。特に女性は73.0%が影響すると考えており、男性(56.0%)と比べ17.0ポイントも高く、20代女性では81.0%もの人が影響すると考えている[図7]。
「なんとなく不調」に影響するのは「気圧の変化」「季節の変わり目」「急激な温度変化」約8割が何らかの対処をしている
気象の変化が影響すると答えた1935人に特に影響するものを聞くと、「気圧の変化(特に低気圧時)」(50.3%)、「季節の変わり目」(45.8%)、「急激な温度変化」(45.7%)が多くなった[図8-1]。1年の中で一番気象に関連した不調を感じる月を聞くと、「6月」(17.0%)と「11月」(16.0%)が特に多くなっている[図8-2]。
気象に関連した不調への対処をしているか聞くと、79.1%が何らかの対処をしており[図8-3]、「十分な睡眠をとる」(51.5%)、「お風呂に入る」(40.7%)、「適度な運動・ストレッチをする」(34.3%)が上位に挙げられた[図8-4] 。
2025年 「なんとなく不調」予想 約8割が「なんとなく不調」を予想、症状は「目の疲れ」「疲れ・だるさ」「肩こり」
2025年も約8割が「なんとなく不調」を感じると予想、約7割が「気象の影響」を心配
2025年はどの程度「なんとなく不調」を感じそうか、全員に予想してもらった。すると、「非常に感じそう」(18.0%)、「時々感じそう」(30.8%)、「たまに感じそう」(31.0%)となり、合計で79.8%が「なんとなく不調」を予想している。「なんとなく不調」を予想する人は、男性(75.6%)より女性(84.1%)に多くなっている[図9-1]。
また、気象が原因で「なんとなく不調」を感じそうかと聞くと、全体の69.0%が感じそうと予想しており、こちらも男性(63.1%)より女性(74.8%)に多く、2025年も気象が原因で「なんとなく不調」を感じそうと考えている[図9-2]。
2025年の「なんとなく不調」の症状 TOP3は「目の疲れ」「疲れ・だるさ」「肩こり」
では、2025年の「なんとなく不調」はどんな症状が多くなりそうか、29の症状を挙げ、各症状別に「なんとなく不調」を感じる程度を4段階(「ほぼ毎日感じそうだと思う」「時々感じそうだと思う」「めったに感じないと思う」「症状を感じることはないと思う」)で答えてもらった。その結果と、「ほぼ毎日感じそうだと思う」「時々感じそうだと思う」と答えた人が多い症状は、「目の疲れ」(68.9%)、「疲れ・だるさ」(67.3%)、「肩こり」(57.1%)、「寝つきにくい・目覚めが悪い・眠りが浅い・不眠」(55.6%)、「頭痛」(50.8%)の順となった[図10]。
男女とも1位「目の疲れ」(男性63.4%:女性74.5%)と2位「疲れ・だるさ」(男性61.7%:女性73.0%)は同じで、3位は男性が「寝つきにくい・目覚めが悪い・眠りが浅い・不眠」(50.0%)、女性が「肩こり」(68.6%)であった。
【齋藤晶先氏のコメント】
調査対象の約8割が「なんとなく不調」状態社会や環境の変化が要因に
今回の調査では約8割の人が「なんとなく不調」を感じているが、これは社会や環境の変化が影響していると考えられる。スマートフォンやパソコン画面などの表示機器(VDT:Visual Display Terminals)を操作しない日はないと言えるほどに日常化し、VDTに向かう時間の増加は目の負担に、同じ姿勢を続けることは首や肩への負担となり、目の疲れ、肩こり、頭痛、倦怠(けんたい)感の原因の一つとなる。
また、就寝前のVDT操作は光や情報内容によって脳が活性化され睡眠障害をもたらす。さらに、気候変動や猛暑の影響で自律神経のバランスが崩れ、これらの症状を来しやすくなっている。
◇ホルモンの影響を受けやすい女性は、男性より「なんとなく不調」になりやすい
「なんとなく不調」を感じる方は、男性よりも女性に多い傾向が見られる。これは、女性の方が男性よりホルモンの変動が大きいことが原因の一つで、月経周期による大きな女性ホルモンの変動は、イライラ感や頭痛、腰痛、腹痛など心身に影響する。今回の調査でも、頭痛はどの年代でも女性が男性より多くなっているが、片頭痛は20代~40代の女性に多く、女性ホルモンと関係があるとされている。
◇「なんとなく不調」に影響する気象の変化や日照時間 低気圧による不調は「水毒」と捉える
また、6割を超える人が気象の変化が「なんとなく不調」に影響すると答えているが、気象の変化だけでなく、実は日照時間も影響する。日光を浴びる時間が短くなると体内時計のリズムに影響し、睡眠障害や気分の落ち込みにつながる。
漢方医学では、寒い、暑い、湿度が高い、乾燥しているなどの気候の変化に合わせて心身も変化すると考える。気候の変化は農作物の発育などに必要なものであるが、ゲリラ豪雨のように変化が急であったり、秋になっても猛暑日が続くなどいつもと異なる気象の変動があるときは、その変化に心身が追い付かず不調につながる。
例えば、低気圧が接近すると、本来は貯留しないような体の部位に水がたまる状態となり、これを漢方医学では「水毒」と呼ぶ。頭痛、体が重い、むくみ、胃でポチャポチャ音がする、めまい、関節の痛みなどはいずれも「水毒」と考えられる。これらの症状に対する漢方薬を服用することにより、症状が改善する場合がある。
◇ 2025年も約8割が「なんとなく不調」を予感、医療機関の受診で隠れた病気の発見につながることも
2025年も約8割の方が「なんとなく不調」を感じそうと答え、約7割の人が気象の影響による「なんとなく不調」を心配している。十分な睡眠、適度な運動、規則正しい食事は、いずれも対策の基本である。例えば、梅雨や低気圧が接近する前の不調に対しては胃腸の機能が低下しないように、冷たい飲食物を多くとることをさける、運動などで汗をかくなど、四季に合わせた対策も重要だ。
「なんとなく不調」で医療機関を受診する人は約2割しかいないが、医師に相談することで、例えば、慢性上咽頭炎のように治療により改善が期待できる症状や、睡眠時無呼吸症候群などのように放置してはいけない疾患が発見される可能性もある。受診された際は、ご本人が関係ないと思っている症状でも、医師に伝えることが診断・治療の手がかりになる。体調不良があれば医療機関を受診し、重篤な病気が隠れていないかを調べることは重要である。漢方医学では、西洋医学が比較的苦手とする体力を補う、体を温める、気圧の変化への対応などの治療が可能である。
また、気象の変化で症状がない人にもこの実態調査を見ていただき、悩んでいる人が多いことを知ってもらえれば幸いである。理解して頂くだけで、悩んでいる人のイライラ感や不安感などの症状の軽減につながる。