疲労感・憂うつ感少ないのはストレス耐性が高く物事に柔軟対応できる「STELLA」 ドクタートラスト

 ドクタートラストは、会社や仕事への満足度、ストレス耐性が高く、物事に対して柔軟に対応できる「STELLA」は、疲労感や憂うつ感が少ないことが累計254万人受検のストレスチェック独自分析から判明したことを明らかにした。
 ドクタートラストのストレスチェック研究所では、ストレスチェックサービスを利用した累計受検者254万人超のデータを活用し、さまざまな分析を行っている。今回は、2023年度にストレスチェックの実施を受託した1390の企業・団体における集団分析データをもとに、STELLA人材の回答割合や高ストレス者率との比較を行った。
 同社では、個人のストレスレベルを5段階(A~E)で評価しています。Aはストレスが最も低く、Eが最も高いとされる。さらに、ストレスレベルが低い人(A、B)のうち、自らの心身の健康状態が良好で会社や仕事への満足度、ストレス耐性が高く、物事に対して柔軟に対応できる人材を独自に「STELLA」と定義し、その候補者となり得る人材をストレスチェック結果から導き出している。
 STELLAは、自らがいきいきと働くだけでなく、彼らが抱くポジティブな考え方や傾向によって、周囲に対しても良い影響を及ぼすことができる理想的な人材だ。ドクタートラストは、こうした人材を増やしていくことで、社内全体に好影響が波及し、職場環境改善や高ストレス者軽減だけでなく、企業の生産性向上にもつながると考えている。

 今回の調査では、2023年度にドクタートラストでストレスチェックを受検した47万9612人の最新結果をもとにSTELLA人材の傾向や高ストレス者率改善に必要な項目を分析した。調査概要、結果のポイント、詳細、まとめは次の通り。

<調査概要>
◆調査期間:2023年4月1日~2024年3月31日

◆調査対象:ドクタートラスト・ストレスチェック実施サービス 2023年度契約企業・団体の一部

◆企業・団体数:1390

◆有効受検者数:47万9612人

<調査結果のポイント>

・ STELLA人材は高ストレス者とくらべて、疲労感や憂うつ感が少なく、仕事が私生活にもよい影響を及ぼしている

・ STELLA人材が多い組織は、高ストレス者率が低い傾向にある

<調査結果の詳細>
STELLA人材と高ストレス者の回答比較
 図2、3はSTELLA人材と高ストレス者の回答を比較し、良好回答の差が大きかった設問を示している。

図2
図3

 前述のとおりSTELLAを定義する指標の一つに「心身の健康状態」がある。すなわちSTELLA人材は、健康状態に関する尺度が良好であることが前提であるが、STELLA人材と高ストレス者について個別の回答を比較してみると、最も良好回答の差が見られた設問は「ひどく疲れた」で、以下「ゆううつだ」、「不安だ」と続く。
 また、心身の健康以外では「仕事をしていると、活力がみなぎるように感じる」、「感情面で負担になる仕事だ」など、仕事に対するモチベーションや情緒的負担に関する設問においても大きな差が見られた。

STELLA人材の割合ごとの平均高ストレス者率比較

 図4は、すべての受検企業・団体をSTELLA人材の割合ごとに6つのグループに分け、それぞれの平均高ストレス者率を算出したものだ。高ストレス者率とは、実際に受検をした人の中で高ストレス者と判定された人の割合である。

 平均高ストレス者率が最も高かったのは、STELLA人材が5%未満のグループで22.1%であった。一方で、平均高ストレス者率が最も低かったのは、STELLA人材が25%以上のグループで7.6%であった。
 この2つのグループを比較すると2.9倍の開きがあり、STELLA人材の割合が高いほど平均高ストレス者率が低いことが見て取れる。つまり、STELLA人材が多い組織は高ストレス者が少ないといえるだろう。

図4

<まとめ>
 今回の調査では、STELLA人材が多い組織ほど高ストレス者が少ない傾向にあることがわかった。また、STELLA人材と高ストレス者の回答を比較したところ、心身の健康状態に関する設問では「ひどく疲れた」、「ゆううつだ」、「不安だ」が、また、仕事面では「仕事をしていると、活力がみなぎるように感じる」、「感情面で負担になる仕事だ」などの設問において差が見られた。
 高ストレス者は仕事に対するモチベーションや満足度が低く、生産性や仕事の質が下がるため、社内全体に悪影響を及ぼす。一方で、STELLA人材は自らがいきいきと働くだけでなく、高ストレス者を減らし、職場環境の悪化を防ぐため、社内全体に良い影響を与えることができると考えられる。
 STELLA人材の特性を理解し、周囲に良い影響を与えるような人材を活用しながら、従業員が働きやすい、そして働き続けたいと思える職場づくりに取り組んでいただきたい。
文責:押切愛里氏(ストレスチェック研究所 アナリスト)

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【解説】STELLAの周りには、高ストレス者が少ない?!2023年度のストレスチェックから分析した、周りに良い影響を与えるSTELLA人材と高ストレス者率の関係を、研究所のアナリストがわかりやすく解説する!

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