後天性眼瞼下垂治療剤「STN1013800」 国内で製造販売承認申請 参天製薬

 参天製薬は26日、後天性眼瞼下垂治療剤 「STN1013800」(一般名:オキシメタゾリン塩酸塩)について、同日付で国内における製造販売承認を申請したと発表した。
 眼瞼下垂は、何らかの原因により上眼瞼が下がり、ものが見にくくなる疾患である。症状には、上方視野の欠損や肩こり、頭痛、疲れやすいなどがあり、日常生活に支障をきたし、QOL低下を招く場合がある。
 眼瞼下垂は、先天性と後天性に分類される。後天性の眼瞼下垂には様々な病因があり、加齢などによる眼瞼挙筋腱膜の退行や、コンタクトレンズの長期装用などの結果として生じる場合があるといわれている。
 多くの眼瞼下垂に対する治療は手術である。オキシメタゾリンはα1 及びα2 受容体のアゴニストとして作用することが報告されている。オキシメタゾリンは上眼瞼の挙上に関わる筋組織のうち、ミュラー筋のαアドレナリン受容体に作用し、ミュラー筋を収縮させて上眼瞼を拳上させる 。
 同剤の国内でのP3相プラセボ対照無作為二重遮蔽比較試験では、後天性眼瞼下垂の患者を対象に、0.1% STN1013800 の1日1回点眼及び1日2回点眼の有効性及び安全性を評価した。
 主要評価項目である投与14日後のMRD-1(Marginal Reflex Distance-1、瞳孔中心と上眼瞼縁の距離)の変化量において、0.1% STN1013800の1日1回点眼群ではプラセボ群と比較して、MRD-1 値の有意な改善が認められ、同剤のプラセボ点眼液に対する優越性が検証された。

◆ピーター・サルスティグ参天製薬チーフ メディカル オフィサーのコメント
 米国以外の地域においては、現状、承認されている眼瞼下垂の治療法は手術のみである。手術は、術後の合併症など様々なリスクもあるため、特に、軽度~中等度の患者さんに対する積極的な診断・治療が難しい状況である。
 参天製薬は、眼科領域に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、これまで点眼による治療法のない眼疾患領域での研究開発も推し進めている。その一環である本剤が、日本の眼瞼下垂の患者さんのニーズに応える新たな治療選択肢につながることを期待している。

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