日本セルヴィエは24 日、IDH1またはIDH2遺伝子変異陽性の神経膠腫を対象として開発中の抗悪性腫瘍剤「ボラシデニブ」について、製造販売承認申請を厚生労働省に行ったと発表した。
ボラシデニブは、変異型イソクエン酸脱水素酵素(IDH)1及び 2 を阻害する分子標的薬。がん細胞内の変異型IDH1及び2を直接的に阻害することで、がん代謝物の産生を阻害し、腫瘍の形成を抑制する。同剤は、既に世界 6 カ国(米国、カナダ、オーストラリア、アラブ首長国連邦、イスラエル、スイス)で承認されている。
なお、ボラシデニブは 本年12月に厚労省より希少疾病用医薬品に指定されている。
今回の承認申請は、手術以外の治療歴のない IDH1 又は IDH2 遺伝子変異を有する Grade 2の星細胞腫または乏突起膠腫患者を対象として有効性及び安全性を検証した国際共同P3試験(INDIGO試験)結果に基づくもの。
◆アントニー・マレ日本セルヴィエ代表取締役のコメント
神経膠腫の領域では、長年治療法の進展が乏しく、放射線治療などから来る毒性を鑑み、がんの進行を抑制するための手術後の治療選択肢は限られたものとなっている。ボラシデニブは、血液脳関門透過性の高い薬剤として、IDH 遺伝子変異のある神経膠腫の患者さんに対して、がんの進行を遅らせ、追加治療が必要となるまでの期間を延長できる可能性を示している。
今回の承認申請により、IDH 遺伝子変異陽性の神経膠腫の患者さまに新たな治療選択肢を一日も早くお届けし、患者さんとその家族の希望につながることを願っている。