住友ファーマは24日、β3 アドレナリン受容体作動薬「ジェムテサ」について、米国FDAより薬物治療中の前立腺肥大症(BPH)を伴う過活動膀胱(OAB)を適応症とした1日1回投与の治療剤として承認を取得したと発表した。
同承認によりジェムテサは、薬物治療中のBPHを伴うOABを適応症として米国で承認された唯一のβ3アドレナリン受容体作動薬となる。
BPHは、加齢とともに男性に多く見られ、BPHに関連する可能性のあるOAB の症状は加齢とともに起こる症状の一部と誤解される場合がある。
米国には、BPHを患う患者が約1400万人おり、そのうち最大75%にOABの臨床症状が見られる。特にBPHを患っている患者の場合、OABの症状に気付かないケースがあり、実際、男性のOAB症例の約80%は診断されていない可能性があるす。
FDA による同剤の承認は、薬物治療中のBPHに伴うOAB症状のある男性約1100人を対象に、24週間にわたって同剤投与群とプラセボ投与群を比較したP3試験(URO-901-3005 試験)結果に基づくもの。 URO-901-3005試験では、同剤投与群は12週目のすべての主要評価項目を達成し、プラセボ投与群と比較して、「1日あたりの平均排尿回数」および「1日あたりの平均尿意切迫感(制御が困難な突然の排尿衝動)回数」のベースラインからの変化量において統計的に有意な減少を示した。
また、追加の評価項目では、12週目に「1 日あたりの切迫性尿失禁(尿意切迫感直後の意図しない排尿)回数」が減少したことが示された。
安全性については、同剤投与群において2%以上で報告され、発現率でプラセボ投与群を上回った副作用は、高血圧および尿路感染症であった。
ジェムテサは、現在、米国において、成人の切迫性尿失禁、尿意切迫感および頻尿の症状を伴うOABの治療薬として承認されており、今回、BPH を伴う OAB に対する治療剤として処方できるようになった。