オプジーボと化学療法の併用療法 非小細胞肺がん術前補助療法で国内効能追加申請 小野薬品

 小野薬品は25日、オプジーボと化学療法との併用療法について、日本国内で切除可能な非小細胞肺がんの術前補助療法に対する効能申請を行ったと発表した。
 今回の承認申請は、切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)患者の術前補助療法として、オプジーボと化学療法の併用療法を化学療法単独と比較評価した多施設国際共同無作為化非盲検P3試験であるCheckMate -816試験(ONO-4538-55)の結果に基づくもの。
 同試験では、オプジーボと化学療法の併用療法の3回投与は、化学療法単独と比較して、同試験の主要評価項目である盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無イベント生存期間(EFS)および盲検下独立病理判定(BIPR)の評価による病理学的完全奏効(pCR)で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。
 同試験におけるオプジーボと化学療法の併用療法の安全性プロファイルは、これまでにNSCLC患者を対象としたオプジーボおよび化学療法の各薬剤または併用療法の試験で報告されているものと一貫していた。 なお、CheckMate -816試験におけるオプジーボと化学療法の併用療法群では、オプジーボ360mgと組織型に基づくプラチナ製剤を含む化学療法2剤との併用療法を3週間間隔で3回投与し、その後手術が施行された。
 また、化学療法単独群では、プラチナ製剤を含む化学療法2剤を3週間間隔で3回投与し、その後、手術が施行された。
 同試験の主要評価項目は、盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無イベント生存期間(EFS)および盲検下独立病理判定(BIPR)の評価による病理学的完全奏効(pCR)であった。
 副次評価項目は、全生存期間(OS)、Major Pathological Response(MPR)および死亡または遠隔転移までの期間など。
 肺がんは、気管、気管支および肺胞の細胞が悪性化した腫瘍で、組織型によって小細胞肺がんと非小細胞肺がん(NSCLC)の 2 種類に分類される。
 NSCLCは、肺がんの中で最も一般的な型の一つで、肺がんの約80-85%を占める。さらに、NSCLCは腺がん(肺がんの40%)、扁平上皮がん(同25%)、大細胞がん(同10%)などに分類される。
 肺がんは、日本では年間約13.8万人、世界全体では約220万人が新たに診断されている。肺がんによる死亡者数は、日本では年間約8.2万人、世界全体では約179万人と推定されており、いずれもがんによる死亡原因の第1位となっている。
 治癒を目的とした外科手術が、NSCLCのステージⅠ~ⅢAおよびⅢBの一部の患者に実施されている。だが、手術を行った場合でも、NSCLCの患者の30 -55%が再発し、この疾患で亡くなる。
 外科手術を受けたNSCLC患者の5年生存率は、ステージⅠAで74.8-91.6%、ステージⅠBで71.5%、ステージⅡAで60.2%、ステージⅡBで58.1%、ステージⅢAで50.6%、およびステージⅢBで40.5%である。

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