新型コロナ経口治療薬「ゾコーバ」 発症抑制効果検証P3試験で主要評価項目達成 塩野義製薬

新型コロナ感染症の有効な予防手段としての貢献に期待

 塩野義製薬は29日、新型コロナ経口治療薬「ゾコーバ」について、COVID-19の発症抑制効果の検証を目的としたグローバルP3曝露後発症予防試験(SCORPIO-PEP試験)において主要評価項目を達成したと発表した。
 SCORPIO-PEP試験は、COVID-19患者の同居家族または共同生活者を対象に実施した多施設共同、無作為化、プラセボ対照二重盲検比較のグローバルP3試験である。米国、南米、アフリカ、および日本を含むアジアで実施し、約2400例が登録された。
 同試験の主要評価項目である「治験薬投与開始から10日間以内に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染しCOVID-19症状を発症した被験者の割合」について、エンシトレルビル投与群はプラセボ投与群と比較して、統計学的に有意な低下を示した。また、安全性面での新たな懸念は確認されなかった。
 これらの試験結果から、ゾコーバによる新型コロナ感染症の有効な予防手段として貢献が期待される。試験結果の詳細は、今後の学会等で発表予定である。
 なお、同件が2025年3月期の連結業績予想に与える影響は軽微である。

◆サイモン・ポーツマス臨床開発部門責任者(医学博士)のコメント
 COVID-19は依然として公衆衛生上の重大な課題であるが、現在予防使用が承認されている経口抗ウイルス薬はない。自分自身や周囲の人を新型コロナウイルス感染から守るための簡便な予防手段が求められているが、今回の良好な試験結果により、エンシトレルビルが新型コロナ感染症の有効な予防手段として貢献することが期待される。

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