参天製薬は9日、10月10 日の「World Sight Day(世界視力デー)」に合わせて、視覚障がい者向けアクセス技術プロバイダー「Be My Eyes(ビーマイアイズ)」とコーポレートボランティア提携をしたと発表した。
ビーマイアイズは、視覚障がいのある人々が、晴眼者のボランティアからのビデオコールを通じた視覚的支援を受けられる無料アプリケーションを提供している。このコーポレートボランティア提携により、10月10日は、約40の国と地域にいる参天製薬の従業員がビーマイアイズのアプリを通じて、視覚障がい者ユーザーからのビデオコールに応答する。 参天製薬の従業員は、10月10日の午前8時から午後9時までの間(現地時間)、世界中のどこからでも、ボランティアに参加することができる。ビーマイアイズとコーポレートボランティアの提携を組んだ日系企業は、参天製薬が初めてで、この取り組みは、昨年に引き続き、2 年目となる。
昨年は、22の言語で約800のコールに応答した。実施後のアンケートでは、利用者側と参加したボランティアの双方の満足度が 95%を超え、「来年も続けたい」、「より多くの同僚に知ってもらいたい」と多くのポジティブな声が寄せられ、今年も継続を決定した。
具体的な支援方法は、視覚障がい者のあるユーザーがビーマイアイズのアプリを通して支援を依頼すると、ビーマイアイズが支援を要する人と目の見えるボランティアを、利用する言語と時間帯の情報をもとにマッチングさせ、複数のボランティアに通知を送信する。
最初にリクエストに応じたボランティアは、支援依頼者と接続され、支援依頼者はライブビデオコールで支援を受ける仕組みになっている。
◆同提携の主担当で視覚障がい当事者でもある参天製薬モハメド・アブディン氏のコメント
視覚障がい者支援アプリの中でも、 ビーマイアイズは、サポートする側とサポートされる側の両方にベネフィットのあるスマートなソリューションであると思う。ビーマイアイズは、現在、世界中で約70万人の視覚障がいのあるユーザーと、約780 万人のボランティアが登録しているので(2024年10月現在)、視覚的支援が欲しい困りごとが起きた場合、ユーザーは24時間いつでも、アプリを通じてサポートをリクエストでき、気を遣うことなく支援を受けることができる。
一方、人数や地理的・時間的制約のあるボランティア企画では参加者が集まらず、活動が限定的になってしまうという課題を抱える企業も多いため、スマートフォンがあればいつでもどこからでも短時間で参加できるこのボランティアの形は画期的である。
◆マイク・バックリ― ビーマイアイズ CEOのコメント
2024年のWorld Sight Day に参天製薬と再び提携し、視覚障がいのある方々のコミュニティにボランティア支援を提供できることを光栄に思う。眼科用医薬品のグローバルカンパニーである参天製薬とのパートナーシップは、必然のことと感じられるかもしれない。だが、このコーポレートボランティアの取り組みを通じて、参天製薬の従業員が助けを必要としている人を直接支援できることは、参天製薬の掲げている“価値観”を力強く示すことになるだろう。