バリキサドライシロップ 症候性先天性サイトメガロウイルス感染症で国内適応追加申請 田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬は30日、抗サイトメガロウイルス化学療法剤「バリキサドライシロップ」について、同日、症候性先天性サイトメガロウイルス感染症の適応追加申請を行ったと発表した。
 今回、症候性先天性サイトメガロウイルス感染児を対象としたバリキサドライシロップの有効性および安全性を評価する医師主導治験(VGCV-1)において、症状改善を示す結果が得られたため、日本におけるバリキサの製造販売元である田辺三菱製薬がVGCV-1試験の成績を利用して申請したもの。
 VGCV-1試験は、東京大学医学部附属病院、日本大学医学部附属板橋病院、名古屋大学医学部附属病院、藤田医科大学病院、神戸大学医学部附属病院、長崎大学病院の計6医療機関の研究グループによって実施された医師主導治験である。
 バリキサは、症候性先天性サイトメガロウイルス感染症に対する希少疾病用医薬品(オーファン・ドラッグ)の指定を受けている。
 今回、症候性先天性サイトメガロウイルス感染症に対する適応が承認されれば、世界初の治療薬となる。
 症候性先天性サイトメガロウイルス感染症は、サイトメガロウイルスが妊婦の胎盤を経由して胎児に感染して発症する疾患で、国内において年間1700人程度が発症する希少疾病である。症候性先天性サイトメガロウイルス感染症の新生児は、出生時に中枢神経障害や難聴等の症状を示し、その後、精神発達遅滞などの神経学的後遺症を残す割合が多く、成長や発達を損なわせることが問題になっている。
 現在、国内外において、症候性先天性サイトメガロウイルス感染症の治療薬は存在しておらず、早期に治療法を確立することが望まれている。
 バリキサドライシロップは日本において、2018年に製造販売承認を取得し、「後天性免疫不全症候群」「臓器移植(造血幹細胞移植も含む)」「悪性腫瘍」でのサイトメガロウイルス感染症の治療薬、「臓器移植(造血幹細胞移植を除く)」におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制薬として販売されている。

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