抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」 伝播抑制に関するP3試験で好結果 塩野義製薬

抗ウイルス薬として初めて臨床試験で呼吸器感染症治療における伝播抑制を証明

 塩野義製薬は19日、抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ」のグローバルP3試験(伝播抑制試験:CENTERSTONE試験)において、主要評価項目を達成したと発表した。同結果は、提携先であるロシュグループも発表している。
 CENTERSTONE試験は、インフルエンザウイルス感染症と診断された患者とその同居家族または共同生活者を対象に、「ゾフルーザの1回経口投与による家庭内でのインフルエンザウイルスの伝播抑制効果」の検証を目的に実施されたもの。
 主要評価項目である「インフルエンザウイルス感染症患者が被検薬を服用後、5日以内にインフルエンザ陽性と判定された同居家族または共同生活者の割合」について、ゾフルーザはプラセボに対して統計学的に有意に低い結果を示した。この結果より、インフルエンザウイルス感染症患者に対するゾフルーザの1回経口投与は、同居家族または共同生活者のインフルエンザウイルス感染リスクを有意に減少させることが示された。また、安全性面での新たな懸念は確認されなかった。
 塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、治療薬の研究・開発だけにとどまらず、啓発・予防・診断ならびに重症化抑制といった感染症のトータルケアの実現に向けた取り組みを進めている。引き続き、ロシュグループと連携し、同薬の有効性、安全性に関するデータの収集と解析に鋭意取り組み、適正使用に向けた情報提供活動に努めていく。
 なお、同件が2025年3月期連結業績に与える影響は軽微である。

◆Levi Garrawayロシュグループのチーフメディカルオフィサー兼グローバル製品開発責任者(医学博士)のコメント
 ゾフルーザのインフルエンザ治療および曝露後予防における確立された有効性に加え、今回の伝播抑制に関する新たなエビデンスは、公衆衛生の改善に寄与する可能性を示している。このデータをもとに、規制当局や公衆衛生機関と協議し、ゾフルーザの伝播抑制効果という有用性を、多くの方に届けられることを期待している。

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