デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬「CAP-1002」 欧州での販売提携に関する基本合意書締結 Capricor社 日本新薬

 日本新薬は18日、Capricor社(本社:米国)とデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を期待適応症とするCAP-1002(deramiocel、)について、Capricor社が欧州における開発を行い、日本新薬が販売を行う販売提携契約を今後数カ月間にわたり独占的に交渉できる旨を定めたレター・オブ・インテント(基本合意書)を締結したと発表した。
 DMDは、筋肉細胞を支えるジストロフィンタンパク質の欠損が原因で骨格筋、心筋、肺の筋力低下を引き起こす進行性の筋ジストロフィーである。DMD には様々な遺伝子変異型があり、特定の遺伝子変異を原因とする DMD に対する治療剤が開発され、医療に貢献している。
 だがし、これらの治療法は一部の遺伝子変異に限られているため、特に比較的高年齢のDMD患者に対する医療ニーズが満たされておらず、有効な治療法の開発が求められている。
  CAP-1002は、ヒト心筋から製造される細胞医療製品です。本剤から分泌されるエクソソーム(細胞外小胞)により、酸化ストレス・炎症・線維化の低減を促し、運動機能や心機能を改善すると考えられており、遺伝子変異の種類によらず、幅広い DMD 患者層に効果が期待されている。
 米国でのP2試験(HOPE-2 試験)では、主に歩行不能のDMD患者に対する上肢機能および心機能への有効性が示唆された。現在、Capricor 社は米国の複数の医療機関においてP3試験(HOPE-3 試験)を実施中である。
 日本新薬では難病・希少疾患を注力領域として位置づけており、日本および米国において、自社開発品のDMD治療剤であるビルテプソ(核酸医薬品)を自社販売している。同社は、2022 年1月に米国、2023年2月に日本における本剤の独占的販売契約を締結している。
 今後、欧州における独占販売契約を締結することにより、将来的に細胞医療製品である同剤を日米欧の 3 極において品揃えすることが可能となり、DMDで悩む患者の治療により貢献していく。

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