武田薬品は5日、組換えコロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン「ヌバキソビッド」について、新型コロナ感染症の予防を効能・効果として厚労省から製造販売承認を取得したと発表した。
同品は、本年4月12日に製造販売承認申請を行っていたもの。同社は9月中旬以降ヌバキソビッドの供給を開始する。ヌバキソビッドは、オミクロン株 JN.1 系統に対応した1価ワクチンである。パンデミック下のまん延予防の緊急の必要性に応じた特例臨時接種と異なり、1 日に多数の方に接種することを想定しない場合の流通および使用に適した1回 0.5mL 接種2回分のバイアル製剤(2-8℃の冷蔵保存)である。
本年5月29日に開催された厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 研究開発及び生産・流通部会季節性インフルエンザワクチン及び新型コロナウイルスワクチンの製造株について検討する小委員会において、2024/25シーズンの定期接種で使用する新型コロナワクチンの抗原組成は、「JN.1 系統及びその下位系統へのより高い中和抗体を誘導する抗原を含有する、その一例としては1価の JN.1 系統が考えられる」と取りまとめられている。
なお、ヌバキソビッドに対する厚労省による承認は、臨床および品質の抗原株の変更に係るデータに加え、ヌバキソビッドが JN.1 および KP.2、KP.3を含むその下位系統に対しても中和抗体を誘導することが認められた非臨床データに基づいている。
なお、武田薬品は、厚労省のワクチン生産体制等緊急整備事業および国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)のワクチン開発推進事業により、ノババックスの新型コロナウイルス感染症ワクチン候補を日本国内において生産するための技術移転・生産設備の整備・供給及び研究開発に係る助成を受けている。
◆森光宏武田薬品グローバルワクチンビジネスユニット 日本開発統括部長のコメント
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが五類感染症に移行し、10 月より始まる新型コロナワクチンの定期接種に先立ち、JN.1 系統対応組換えたんぱくワクチンの選択肢を2回分のバイアル製剤として供給できることを誇りに思う。
◆今川昌之ジャパン ファーマ ビジネス ユニットワクチン事業部長のコメント 世界の多くの国で使用実績があり、当社山口県の光工場で製造したヌバキソビッドをお届けできることを心より嬉しく思っている。
当社は、新型コロナウイルス感染症の重症化や発症予防に対する取り組みを継続し、ヌバキソビッドの提供を通じて日本の公衆衛生の向上に貢献していく。