エーザイは24日、エコナビスタと日本の超高齢社会において喫緊の課題である認知症領域でのエコシステム構築を目的とした業務提携契約を締結し、協業を開始したと発表した。
エコナビスタは、「睡眠解析技術で、未来社会に健康と安心を提供する」 というミッションのもと、サービスの提供を通じてクラウドに蓄積された継時的な睡眠・生活習慣のビッグデータに対し独自の解析技術を適用することで、健康状態の推移を予測するAIの開発を行っている。
長年にわたり認知症領域のパイオニアとして創薬活動や疾患啓発活動を行ってきたエーザイと、介護の現場におけるSaaS型高齢者施設見守りシステムのトップランナーであるエコナビスタは、両社が保有するノウハウ・技術・ネットワーク等を活用。
エーザイの脳の健康度のデジタルチェックツール「のうKNOW」や、エコナビスタの睡眠や生活習慣データから健康状態の推移を可視化する「ライフリズムナビ」および同社が開発し特許を保有する「認知症予測モデル」などを用いて、高齢者施設の入居者を対象に認知機能の変化に対する気づきを促す実証実験を推
進する。
また、これらのAIを各種サービスに実装することで、介護DXの推進を始めとしたさまざまな領域における社会課題の解決を図っている。
超高齢化が進む日本においては、比較的健常な状態から高齢者施設の一般居室棟(自立型)やシニア向け分譲マンションへの入居選択者も多く、入居期間が長期に渡る場合がある。
これらの住棟においては、基本的に介護サービスは提供されないため介護関連スタッフ等との接点もなく、入居者の認知機能の変化に関する気づきの機会が少ないため、軽度認知障害(MCI)や認知症が進行してから周囲が気づくといった実態がある。
同実証実験は、こうした課題に対し、ライフリズムナビを導入済みの施設を対象に(最大200施設)、各プロダクトを活用して入居者の認知機能の変化を早期に発見し示唆することで、潜在的なMCI・認知症の発見に繋げることを目指したもの。
さらに、将来的には両社の強みを活かすことで、健常な高齢者も対象としたMCI・認知症発見の早期化に向けた共同研究や、認知症予測モデルの在宅介護領域における適用可能性の検討などを進めていく。
今回の業務提携契約に基づき、エーザイとエコナビスタは、認知症エコシステムの構築を通じて、社会課題の解決に貢献する。