世界初のガス発酵によるバイオものづくりの研究拠点新設 日揮ホールディングス

新施設完成イメージ

 日揮ホールディングスは17日、ポートアイランド(第2期)にバイオものづくりの研究拠点を新たに建設すると発表した。
 同研究拠点では、世界でも類を見ない二酸化炭素(CO2)を原料とした水素酸化細菌によるバイオものづくりの研究開発を行うことが予定されている。
 バイオものづくりは、神戸大学やその関連企業を中心として、神戸医療産業都市内で盛んに研究が行われてきた。同研究拠点の建設により、バイオものづくり分野におけるインキュベーションやオープンイノベーションのさらなる促進が期待される。
 日揮ホールディングスでは、今後も産官学の連携により、神戸を中心にバイオものづくり企業や人材、アカデミア等が集結するエコシステムを形成し、世界に向けてバイオものづくりの社会実装を推進していく。新施設の概要、研究拠点での事業内容、日揮ホールディングス企業概要は、次の通り。

≪新施設の概要≫

・進 出 先:兵庫県神戸市中央区港島南町7丁目3番7

・事業内容:世界初のガス発酵によるバイオものづくり研究

・敷地面積:1万0403.78㎡

・契約内容:土地売買契約

・施設内容:研究拠点

≪研究拠点での事業内容≫

 日揮ホールディングスは、神戸大学発のスタートアップ企業であるバッカス・バイオイノベーションとともに、将来市場の拡大が見込まれるバイオものづくりに向けて、共同で微生物の開発・改良から生産プロセスの開発までをワンストップで手掛ける統合型バイオファウンドリ事業を推進してきた。
 同社は、この事業を通じて、これまで数十年かかっていた微生物の開発から商業化までの期間を1/10以下に短縮し、社会実装に向けた時間とコストを大幅に削減することを目指している。
 同研究拠点においては、二酸化炭素(CO2)を原料としたバイオものづくりの社会実装を目指し、世界で初めての、ガス発酵による生産プロセス基盤を構築する。なお、同研究拠点の新設は、日揮ホールディングスとバッカス・バイオイノベーション、カネカ、島津製作所の4社が共同提案した「CO2からの微生物による直接ポリマー合成技術開発」プロジェクトの一環として行うもので、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO)が公募した『グリーンイノベーション基金事業』として採択されている。

≪日揮ホールディングスの企業概要≫

・所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-1

・設立:1928年10月25日

・資 本 金:237億9881万円

・代表:代表取締役会長CEO 佐藤雅之氏

・事業内容:建設業、製造業、学術研究、専門・技術サービス業

・従 業 員:8865名

◆日揮ホールディングスのコメント◆
 当社は“Enhancing planetary health”のパーパスのもと、エネルギーとインフラの分野を中心としたプラント・設備の設計・調達・建設・メンテナンスを行う「総合エンジニアリング事業」を主要ビジネスの一つとし、1928年の設立以降、日本国内のみならず世界各地で様々なプロジェクトを遂行してきた。
 当研究拠点での研究開発で用いる微生物(水素酸化細菌)は、二酸化炭素(CO2)を直接原料とする。こうした気体(ガス)を原料とするガス発酵技術において、当社グループが長年培ってきた安全にガスを取り扱うハンドリング技術が不可欠となる。
 今回の取り組みを通じて、神戸市およびバッカス・バイオイノベーションとの連携をより強固なものとし、産官学一丸となってバイオものづくりの社会実装を推進し、持続可能な未来の実現に貢献していく。

◆株式会社バッカス・バイオイノベーションのコメント
 日揮ホールディングスのバイオものづくり研究所新設により、共同で推進を目指す「統合型バイオファウンドリ」事業が、より一層進展することを喜ばしく思う。
 バイオ由来の新しいものづくりに向けて、神戸市および日揮ホールディングスとともに、神戸がバイオものづくり産業の中心地となるよう歩みをさらに進めていきたい。
 世界初のガス発酵による生産プロセス基盤の構築が、未来を拓く「CO2からのバイオものづくり」の事業化・産業化に貢献するものと確信している。

◆二酸化炭素(CO2)を原料とした水素酸化細菌:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000147.000065135.html

◆統合型バイオファウンドリ事業:

https://www.jgc.com/jp/news/assets/pdf/20230322_2.pdf

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