エーザイは16日、抗真菌剤「ホスラブコナゾール」について、真菌性疾患に対するアジア・オセアニアにおける開発および商業化に関するライセンス契約を佐藤製薬と締結したと発表した。同契約の対象となる地域は、ASEAN10カ国、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、台湾。
同契約に基づき、エーザイは当該諸国・地域における同剤の知的財産権の実施を佐藤製薬に独占的に許諾する。
ホスラブコナゾールの主活性成分であるラブコナゾールは、エーザイが創製した抗真菌剤だ。同剤は、ラブコナゾールをプロドラッグ変換することで、溶解性や生体内利用率を向上させたもの。
日本においては、当社が許諾した再実施権付独占開発権および商業化権に基づき、セレンファーマ(東京都)と佐藤製薬が開発を進め、2018年7月より「爪白癬」を効能・効果とする経口抗真菌剤「ネイリン」として佐藤製薬が発売し、エーザイが販売提携している。
同契約締結によりエーザイは、契約一時金を受領するとともに、薬事マイルストンペイメントおよび一定期間の売り上げに応じたロイヤルティを受領する権利を有する。なお、顧みられない熱帯病の一つであるマイセトーマとその関連疾患については許諾の対象外とし、引き続きエーザイが権利を有する。
今回の契約締結により、アジア・オセアニア地域でのホスラブコナゾールの価値最大化を図る。