スキリージ 成人の潰瘍性大腸炎治療薬として日本で適応追加承認取得 アッヴィ

 アッヴィは24日、スキリージについて、中等症以上の潰瘍性大腸炎の成人患者さんに対する治療薬として日本における適応追加承認を取得したと発表した。
 対象は、既存治療で効果不十分な中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入および維持療法。
 スキリージは、IL-23を選択的に阻害する生物学的製剤で、日本においては既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、中等度から重症の活動性クローン病、掌蹠膿疱症に続く7番目の適応症を得した。
 同承認は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎を対象とした日本を含む複数の国際共同試験データから得られた結果に基づくもの。これらの試験において、0 週、4 週および 8 週時に リサンキズマブ1200mgの静脈内投与を行う寛解導入療法試験のINSPIRE試験では、12 週時において、その後8 週間ごとに180mgまたは360mgを皮下投与する維持療法試験のCOMMAND試験では52週時において、対照群と比較してリサンキズマブ群で有意に多くの患者が、主要評価項目である臨床的寛解(Adapted Mayo スコアに基づき判定)および主な副次評価項目を達成した。
 潰瘍性大腸炎は、原因不明の炎症により、大腸の粘膜が傷つき、びらん(ただれ)や潰瘍ができる 指定難病である。慢性的な下痢・血便、腹痛に加え、発熱や貧血などの症状が現れ、症状が良くなったり(寛解)悪くなったり(再燃)を繰り返す。
 潰瘍性大腸炎の原因はまだ完全には分かっていないが、細菌や異物などから身体を守る「免疫」の異常が関係していると言われている。30歳以下の患者で多く発症するが、小児や50 歳以上の年齢層にもみられ、日本国内における患者数は約22万人と年々増加している。
 潰瘍性大腸炎の治療では薬物治療による寛解を目指し、できるだけ長く再燃のない状態を維持することが重要だ。だが、約3割の重症患者は最終的に結腸全摘除術が必要となる場合もある。
 また、従来の生物学的製剤では有効性の発現が遅い患者も一部存在する場合や、継続投与によって起こり得る効果の減弱、または過敏症反応などを引き起こす可能性もある。
 そのため、有効かつ安全で持続性がある新たな治療選択肢に対するアンメットメディカルニーズが存在する。
 こうした状況を背景に、アッヴィはリサンキズマブの潰瘍性大腸炎に対する開発に着手し、今回の適応追加承認を取得した。同社は、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)領域において、スキリージ、ヒュミラ、リンヴォックの3製品の提供を通じて、IBD患者に貢献していく。

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