アルツハイマー病早期診断の重要性啓発ショートムービー公開 シスメックス

 シスメックスは19日、アルツハイマー病における早期診断の重要性と血液検査による負担の少ない診断法の可能性を紹介するショートムービー「2分で分かる!アルツハイマー病 ~早期診断の重要性~」をシスメックス公式YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/watch?v=e6LgRDt2Ja0) に公開したと発表した。
 世界的な長寿命化とともに、認知症を患う人の数が増加しており、今や認知症は誰もが関わりうるものとなりつつある。認知症に関わる患者やその家族が、安心して、活き活きと暮らせる社会を実現するためには、早期に適切な診断・治療やケアを行うことが重要だ。
 シスメックスは、認知症の早期診断やより良い治療機会の創出に貢献する新たな検査・診断技術の創造にさまざまなパートナーとともに挑戦している。同社のの認知症への取り組みは、シスメックスコーポレートサイト「認知症への取り組み」で閲覧できる。

社会課題としての認知症
認知症人口の増加で2050年には世界で1.4億人に

 現在、世界では5500万人以上が認知症を患っており、世界的な長寿命化に伴い、2050年にはその患者数が1.4億人近くに上ると言われている。認知症は、日常生活にさまざまな障害が起こる進行性の疾患で、患者本人のみならず、家族や介護にあたる周囲の人々の生活、経済・社会にも大きな影響を及ぼす。

認知症がもたらす世界的なコスト

 世界保健機関(WHO)によると、医療費、介護費など全世界の認知症にかかわる年間コストは、患者数の増加にともない、2030年には2.8兆米ドルに達すると推定されている。このコストの80%を占めるのが、介護費や家族などが無償で提供するケアに相当するインフォーマルケアコストだ。 患者本人の負担だけでなく、これらの社会的な負担を軽減するうえでも、早期診断・早期治療が喫緊の課題となっている。

アルツハイマー型認知症
脳内の変化は発症する20年以上前から進行、早期診断が重要

 認知症の原因疾患のうち60〜70%を占める「アルツハイマー病」では、症状が現れる20年以上前から、脳内に「アミロイドβ(Aβ)」と呼ばれるたんぱく質が蓄積し、徐々に神経細胞を破壊すると言われている。
 一度死滅した神経細胞は元に戻すことが難しいため、認知症を発症するより前の段階で、脳内の原因物質の蓄積を捉え、早期に適切な診断・治療につなげることが重要だ。
 近年、原因物質の蓄積を阻害することで進行を抑制する画期的な治療薬開発も進展しており、早期発見の重要性がさらに高まっている。

高まる血液による診断法への期待

 現在、脳内のアミロイドβ蓄積は脳画像検査(PET検査)や脳脊髄液検査で調べることができるが、検査可能な施設が限られており、費用・侵襲性などの面で患者の負担が大きいことが課題となっている。そのため、より身体への負担が少なく、身近な医療機関で簡便に受診できる血液を用いた検査法(血液バイオマーカー)の実用化が期待されている。

関連情報

▶ シスメックスコーポレートサイト > ストーリー|より身近な認知症診断への挑戦

学術情報メディア Medical Meets Technology > シリーズ「アルツハイマー治療を考える」

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