ファンペップは7日、開発中のアレルギーワクチン(抗体誘導ペプチド「FPP004X」)について、非臨床試験でアレルギー反応抑制効果が確認され、2025年1Q目標にP1試験を開始すると発表した。 FPP004X は、2024 年3月にファンペップと塩野義製薬との間で締結されたオプション契約により、塩野義製薬が全世界での全疾患に対する独占的研究開発・商業化権の取得に関するオプション権を保有している。同日開催された塩野義製薬の「R&D Day 2024」 においても、上原健城医薬開発本部長からFPP004Xについての非臨床試験の有効性データなどが紹介された。
FPP004Xは、体内でIgE に対する抗体産生を誘導することにより治療効果を期待するアレルギーワクチンである。IgE(Immunoglobulin E)は、体内に入った異物を排除する働きを持つ抗体の一種で、花粉等の原因物質(アレルゲン)に結合するとアレルギー反応を引き起こす。免疫細胞に抗 IgE 抗体を一定期間産生させることから、アレルギーに対する持続的な効果が期待される。
この特長を活かし、ファンペップは、社会問題となっている花粉症を第一の適応症として、花粉飛散前に投与することでシーズンを通して症状を緩和できる患者にとって利便性の高い新しい治療選択肢を提供することを目指して医薬品開発を進めている。
FPP004X の非臨床試験のヒト化 IgE/FcεR1トランスジェニックマウスを用いた OVA 誘発アレルギー性鼻炎モデルにおいて、抗 IgE抗体を誘導し、アレルギー反応を抑制すること(好酸球数減少及び鼻掻き回数減少)が確認されている。
現在、p1試験開始時期の目標を2025年1Qとし、非臨床試験が進行中である。
なお、同件は、FPP004Xの開発状況を知らせるものであり、2024年12月期業績への影響はない。