米国臨床腫瘍学会で患者健康アウトカムの改善示す複数の研究結果発表 エグザクトサイエンス

 がんのスクリーニング検査および診断検査のリーディングプロバイダーであるエグザクトサイエンスは31日、多様な人種および民族の患者におけるオンコタイプ DX 乳がん再発スコア検査の予後予測能を裏付ける新たなデータを6月に開催される2024年米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表することを明らかにした。
 オンコタイプ DX 乳がん再発スコアプログラムは、2004年から米国で実施されていたオンコタイプDX 乳がん再発スコア検査と日本向けに開発したソフトウエアを組み合わせたプログラム医療機器である。
 日本においても2023年9月1日にオンコタイプ DX 乳がん再発スコアプログラムとして保険収載され、より多くの患者に対して適切な治療を受けるサポートができると期待されている。
 同検査では、一定の条件を満たす乳がん患者を対象に、乳がん組織に含まれる21個の遺伝子を調べ、各遺伝子の発現状況から独自のアルゴリズムにより、0から100までの数字で表される再発スコア結果を算出する。再発スコア結果は、手術後にどの程度再発しやすいかの予測とあわせて、術後薬物療法を検討する際に、「ホルモン療法」に「化学療法」を追加するかどうかの意思決定の助けになる情報を提供する。
 現在、世界中で100万人以上の患者がこの検査の恩恵を受けており、日本乳癌学会、欧州腫瘍学会(ESMO)、ザンクトガレン国際乳癌会議、米国臨床腫瘍学会(ASCO)、米国国立包括癌ネットワーク(NCCN)などの主要な乳がん治療ガイドラインに取り入れられている。
 今回ASCOで発表される2つの研究から得られた新たなデータは、オンコタイプ DX検査が様々な人種および民族の乳がん生存率を予測することを示した。一つ目の研究では、傾向スコアで補正した解析により、リンパ節転移陰性の患者において人種および民族を超えて乳がん特異的死亡および化学療法の効果を予測することが確認された。
 二つ目の研究のSEERデータベースから得られた非転移性、ホルモン受容体陽性、HER2 陰性の乳がん患者17万1000人以上の再発スコア結果を用いたリアルワールド研究でも、再発スコア結果がすべてのリンパ節転移陽性の患者において化学療法の効果を予測することが示された。
 この研究では、非ヒスパニック系黒人患者は他の集団と比較して、再発スコア結果および化学療法の実施率が高いことが示された。RxPONDER試験の探索的解析では、人種および民族を超えて予後を予測する一方で、非ヒスパニック系黒人患者は増殖軸スコアが高いことが示された。これは、腫瘍生物学の違いが乳がんの予後の差を説明することに役立つ可能生を示唆している。

◆リック・ベーナー エグザクトサイエンスプレシジョンオンコロジー部門のチーフメディカルオフィサー(医師)のコメント
 エグザクトサイエンスのエビデンスの蓄積は、より個別化された治療介入が、がんと共に生きる人々のより大きな利益につながることを示している。
 ASCOで発表されるこれらのデータは、がん医療全体にわたる厳正なイノベーションとリアルワールドデータの収集を通じて、新たな診断基準を設定するという我々の目標を支持するものである。人種、年齢、民族を問わず、すべての患者さんのニーズに応える高品質な検査を開発し続けることを約束する。

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