グラム陰性菌感染症治療薬「Fetroja(伏驖佳)」 台湾で発売 塩野義製薬

 塩野義製薬は28日、グラム陰性菌感染症治療薬「Fetroja(伏驖佳)」について、台湾で台湾塩野義が27日より発売を開始したと発表した。
 Fetrojaは塩野義製薬が創製したシデロフォアセファロスポリン系抗菌薬で、細菌の鉄輸送システムを利用することで、多剤耐性菌を含むグラム陰性菌の外膜を能動的に通過して抗菌活性を発揮する薬剤である。
 台湾においては2024年2月に「成人患者における、グラム陰性菌による腎盂炎を含む複雑尿路感染症治療および院内肺炎(院内細菌性肺炎および人工呼吸器関連肺炎)治療」を適応として台湾衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)から承認を取得していた。Fetrojaは現在、日本・欧州・米国を含め、10以上の国・地域で販売されている。
 薬剤耐性(AMR)は、「サイレントパンデミック」と呼ばれ、国際的な連携により対策を講じなければ、2050年までに年間1000万人以上が命を落とす問題に発展すると予測されている。現時点でAMR感染症に対する使用可能な治療薬は限られており、アンメットメディカルニーズが高い疾患の一つである。
 今回の台湾でのFetrojaの発売は、同地域で薬剤耐性菌による感染症で苦しむ患者の新たな治療薬選択肢として期待される。

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