小野薬品は17日、BRAF阻害剤「ビラフトビ」およびMEK阻害剤「メクトビ」の2剤併用療法について、甲状腺がんにおける2つの適応追加承認を取得したと発表した。
2つの適応症は、「がん化学療法後に増悪したBRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な甲状腺gがん」および「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な甲状腺未分化がん」
今回の承認は、BRAF V600 遺伝子変異を有する根治切除不能な甲状腺がんの患者22例(甲状腺未分化がん5例を含む)を対象に、日本国内で実施したP2試験(ONO-7702/7703-03)の結果に基づくもの。同試験において、主要評価項目である全体集団における独立中央判定によるビラフトビとメクトビの併用療法の奏効率は54.5%(12/22例、95%信頼区間:32.2 – 75.6%)であり、本試験の主要評価項目を達成した。
同試験におけるビラフトビとメクトビの併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告されているビラフトビとメクトビの臨床試験で認められているものと一貫していた。
甲状腺がんは、気管の付近、頸部の前面に位置する甲状腺組織中に発生する悪性腫瘍であり、組織学的には、分化がん(甲状腺がんの約97%)、未分化がん(同1~2%)、髄様がん(同1~2%)に大別される。
日本国内の甲状腺がんの罹患者数は、2023年で約1万8700人、国内の死亡者数は約1900人と推定されている。BRAF遺伝子変異陽性は、甲状腺がん患者の37~68%と報告されている。