ACImmune社とアルツハイマー病に対するアミロイドβ標的能動免疫療法の独占的オプションとライセンス契約締結 武田薬品

 武田薬品は13日、AC Immune社とACImmune社がもつ毒性アミロイド β(Aβ)を標的とする能動免疫療法に関する全世界の独占的オプションとライセンス契約を締結したと発表した。
 同契約には、ACImmune 社がアルツハイマー病治療薬として開発中の ACI-24.060が含まれる。ACI-24.060は、抗Aβ能動免疫療法候補薬で、 プラークの形成やアルツハイマー病を進行させると考えられている毒性Aβに対する強力な抗体反応を誘導するように設計されている。
 ACI-24.060は、脳内のプラークを除去し、かつプラーク形成を効果的に抑制することで、アルツハイマー病の進行を遅らせる可能性がある。ACI-24.060については、現在、前駆期アルツハイマー病の被験者とダウン症候群の成人患者を対象に被験薬の安全性、忍容性と免疫原性を評価する無作為化、二重盲検、プラセボ対照、P1b/2試験(ABATE試験)を実施している。
 ACImmune社は、ABATE 試験を完了させる責任を負う。武田薬品がオプションを行使した場合、武田薬品はオプション行使以降の臨床開発を武田薬品の費用負担で行い、世界各地での申請業務と全世界での商業化の責任を負う。
 同契約の条件に基づき、ACImmune社は、契約一時金として1億米ドルを受領するほか、オプション行使料、開発・商業化と売上に基づくマイルストンに応じた支払いを受ける権利を有し、契約期間中に全てのマイルストンを達成した場合は最大で約21億米ドルの支払いを受ける権利を有する。
 商業化に際しては、AC Immune社は全世界での売上高に応じて段階的に設定した二桁台のロイヤリティを受領する権利を有する。
 同契約に基づく武田薬品のライセンスは、米国ハート・スコット・ロディノ反トラスト改正法に基づく待機期間の終了または満了が条件となる。

◆Andrea Pfeifer ACImmune社CEO(Dr.) のコメント
 私たちは、能動免疫療法のパイオニアとして、アルツハイマー病治療にパラダイムシフトをもたらし、患者さんやコミュニティがさまざまな負担を解決しうる革新的なアプローチを開発している。私たちは、ACI-24.060のインパクトを最大化するためには、開発が重要な局面に達した今この時期に武田薬品と手を携え、P3試験への速やかな移行を果たすことが最良の策であると信じている。
 今回の契約により、私たちは、アルツハイマー病のP3試験に求められる包括的なグローバル開発プログラムを実行する能力をもつ、武田薬品の熟達した組織の開発力ならびに戦略的視点と財務能力に支えられつつ、臨床P1b/2試験に全力を注ぎ、私たちの早期パイプライン品目についてもさらなる資本投下を行い、次なる成功を得るための活動に集中することができる。

◆Sarah Sheikh武田薬品のニューロサイエンス領域ユニットヘッド(M.Sc., B.M., B.Ch, MRCP)のコメント
 当社は、アルツハイマー病をはじめとする社会的負担が特に大きい疾患に取り組んでいる。今回、AC Immune社と共にこのよう に革新的なアプローチに取り組み、新技術により有効性や安全性、投与のしやすさで差別化しうる治療薬を患者さんにお届けできる可能性を得たことをたいへん嬉しく感じている。
 ACImmune 社の能動免疫療法における豊富な経験と、当社のニューロサイエンス医薬品の開発・商業化における専門性を組みあわせることで、私たちはアルツハイマー病患者さんのコミュニティに真のインパクトをもたらす素晴らしい機会を手にしている。

タイトルとURLをコピーしました