2023年度は黒字化転換 米州合理化を含む構造改革が前倒しで完了 参天製薬

参天製薬の2024年3月期決算は、売上収益3019億6500万円(前期比8.2%増)、営業利益385億4100万円(△30億9000万円)、税引き前利益298億7400万円(△57億9900万円)、当期利益267億300万円(△149億8300万円)となった。
 2023年度は、後発品上市の後ろ倒しなどにより日本事業への影響が少なく、海外事業も想定以上に力強く成長し、米州の合理化を含む構造改革が想定を上回る規模で前倒しで完了したことなどにより、売上収益は3020億円、コア営業利益は628億円の過去最高の結果となった。
 医療用医薬品事業は、日本では薬価改定の影響等があったものの主力製品の拡大に注力、中国では前年の新型コロナウイルス感染症の再拡大からの市場の回復、アジア・EMEAでも主力製品が堅調に推移し、対前年比8.0%増の2,810億円となった
 IFRSベースでの営業利益は、無形資産の減損損失や構造改革費用の計上等により 385 億円となった。前倒しで完了した米州合理化を含む構造改革では、改善効果として150億円を創出した。米州は今期より赤字が無くなる。
 2025年3月期業績予想は、売上収益2970億円(1.6%減)、コア営業利益550億円(12.4%減)、コア当期利益412億5000万円(15.0%減)。

伊藤氏

 2024年3月期決算説明会でWEB会見した伊藤毅代表取締役社長兼CEOは、「2024年度は日本においては主力品の後発品影響や薬価改定、下期から開始される長期収載品の選定理由による一定の影響も想定しているが、海外地域については引き続き力強い成長を見込んでいる」と説明した。
 さらに、中長期的な成長についても「製品開発も順調に進んでおり、大型パイプラインによる価値貢献の最大化を目指していく」と強調し、「2025年度上市予定の近視治療薬や、今年度申請・2026年度上市を目指す眼瞼下垂治療薬」に期待を寄せた。
 伊藤氏は、「2025年度をスタートとする新たな中期経営計画の立案を予定している」ことも明かした。
 

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