創薬シーズインキュベーション合弁会社設立で基本合意契約締結 武田薬品、アステラス製薬、三井住友銀行

 武田薬品、アステラス製薬、三井住友銀行は、22 日、日本発の革新的な医薬品の創出に向けた創薬シーズのインキュベーションを行う合弁会社の設立に関する基本合意契約を締結したと発表した。
 世界有数の新薬創出国である日本には、革新的な創薬基礎研究を行うアカデミアと、早期シーズ研究のノウハウや創薬力を有するグローバル製薬企業が多数存在し、双方が魅力的な創薬シーズを有している。だが、その一方で、近年、アカデミア発の技術を事業化する際に立ちはだかる「死の谷」、すなわちアカデミア発の革新的な技術や創薬シーズが臨床応用まで効率的につながっていないことが課題となっている。
 そこで、武田薬品、アステラス製薬、三井住友銀行の3社は、同課題の解決のため、初期の創薬研究から創薬スタートアップ企業設立に至るまでを包括して担う合弁会社の設立に向けた協議を推進し、今回の基本合意契約締結に至ったもの。合弁会社の概要(予定)は、次の通り。

◆社名:未定

◆代表者:藤本利夫氏(藤本氏はアイパークインスティチュート代表取締役社長との兼務となる)

◆所在地:湘南ヘルスイノベーションパーク(神奈川県藤沢市)

◆資本金:約6億円(資本準備金含む)

◆出資比率:武田薬品 33.4%、アステラス製薬 33.4%、三井住友銀行 33.2%

◆設立予定日:2024年中頃

◆事業内容:日本発の革新的な医薬品創出に向けた創薬シーズのインキュベーション

 合弁会社では、①グローバルの医薬品市場への日本発の革新的な創薬アイデアの展開、②グローバルで競争力のある創薬技術のインキュベーションとアントレプレナーシップ(起業家精神)の育成③スタートアップ企業の創出による創薬エコシステムの活性化ーに注力する。
 3社は、合弁会社の設立に加えて、武田薬品およびアステラス製薬で培われたグローバル創薬研究開発のノウハウに基づいたサポートを合弁会社に提供し、新薬開発のオープンイノベーションならびに創薬シーズの社会実装の促進ならびに革新的な医薬品開発を行うスタートアップ企業創出につなげる。
 合弁会社は、国内のアカデミア・製薬企業・スタートアップ企業などが有する有望な創薬シーズへのアクセスをはじめ、共同研究等を通じてインキュベーション活動を開始予定である。
 今後、速やかな事業の開始を目指し、合弁会社の設立に向けて、3社で詳細な協議および検討を進めていく。
  

  

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