大和國一の宮三輪明神大神神社(奈良県桜井市)の鎮花祭が18日、同神社本社拝殿ならびに狭井神社の両社で斎行され、医療・薬学の発展が祈願された。
鎮花祭は、令和2年の例祭より新型コロナ感染拡大防止のため余儀なく参列席を縮小してきたが、昨年より参列制限を取り除き、今年は例年通りの300人を超える大勢の参拝者が詰めかけた。また、5年ぶりの直会は、令和元年9月30日に竣工致した三輪山会館での初開催となり、立派な施設に参加者から感嘆の声が上がった。
鎮花祭は、別名花鎮めの祭りと呼ばれており、今から1300年前の飛鳥の時代の「大宝律令」に、春の花散る頃に流行する疫病の鎮圧のため、国家の祭祀として毎年「国民の無病息災」を祈るように定められ、国を代表する重要な神事として現在まで脈絡と受け継がれてきた。
昭和25年には、大阪、奈良、京都の製薬企業や医薬の関係者が集まって薬神講を形成し、祭りはさらに発展。近年では、九州、富山など遠方からの参列者も増加し、コロナ禍の影響は受けたものの年々盛り上がりをみせている。
祭典では、修祓、祝詞奏上、神楽浦安の舞、玉櫛奉奠、撤饌などの神事が行われ、医療と薬学の発展が祈願された。
直会では、井上卓朗大神神社宮司が、「たくさんの医薬品のお供えなど、年を追うごとに盛会にご奉仕頂き感謝申し上げたい」と謝辞の述べ、「皆様には、大神様のご加護の下、ますますご健勝でご活躍頂き、世の中に貢献されるように心からお祈りしている」と訴求した。
続いて塩野元三薬神講会長(塩野義製薬名誉顧問)が、「本日の鎮花祭において国民の皆様の無病息災と薬業界の発展をご祈願頂いたこと心より御礼申し上げたい」とあいさつ。
さらに、「本年は、ようやく令和元年9月30日に竣工致した「三輪山会館において直会が開催できる運びとなった。こうした品位品格の高い会館で直会が開催できることを、心より嬉しく思っている」と満面の笑みを浮かべた。