第一三共は8日、抗HER2抗体薬物複合体(ADC)「エンハーツ」について、米国FDAより、HER2陽性の複数の固形がんの横断的な適応追加承認を取得したと発表した。
対象は、前治療歴があり代替の治療手段のない切除不能または転移性のHER2陽性(IHC 3+)固形がん。同適応は、本年1月にFDAより承認申請が受理され、画期的治療薬(Breakthrough Therapy)指定、優先審査およびReal-Time Oncology Review(RTOR)プログラムのもとで承認された。
同承認は、前治療歴のあるHER2発現の進行性固形がん(胆道がん、膀胱がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、卵巣がん、膵臓がんおよび希少がん)、非小細胞肺がんおよび大腸がん患者を対象とした3つのP2試験(DESTINY-PanTumor02、DESTINY-Lung01、DESTINY-CRC02)等の結果に基づくもの。
なお、同承認は、検証的試験による臨床的有用性の検証を条件としている。エンハーツは、がん種横断的に承認された初めての抗HER2療法で、FDAより承認を受けた適応症は、HER2陽性乳がん、HER2低発現乳がん、HER2陽性胃がん、HER2遺伝子変異を有する非小細胞肺がんに続いて5つ目となる。