ロート製薬は4日、三井物産と共同保有予定の特別目的会社（SPC）を通じてシンガポールの漢方薬製造販売企業ユーヤンサン（EYS）を買収すると発表した。
EYS株式の約86％を保有するRCHから全株式を取得する契約で、取得条件成立後、残り約14％に対して公開買付を実施し、その後創業家もSPCへ再出資を予定だ。100％株式取得の際の総額は、約880億円。買収後のEYSへの出資比率は、ロート製薬約60%、三井物産約30%、創業家10%。
EYSは、東南アジア最大の漢方薬製造販売企業で、145年の歴史を持つ伝統的な漢方薬から食品まで展開する“Natural Health & Wellness”を提供する。
シンガポール、マレーシア、香港を中心に176店舗、29の漢方薬クリニックを運営し、多くの顧客から支持を獲得。世界各国へ”Natural Health & Wellness”の商品を提供し、医薬品から食品まで幅広く生薬製品の開発・販売を展開している。
また、直近ではサプリメント・食品の売上比率が伸長している。
一方、ロート製薬が、今回の資本提携を通して目指す未来は次の通り。
１、食事業を第3の柱にし、ロート製薬が目指す “薬に頼らない製薬会社”の実現
２、今後の発展・成⾧するアジアの方々の健康に寄与
３、ロートグループの内服リソースを最大限活用（創業製品は胃腸薬）
４、アジアH&B市場で独自のプレゼンス・前例にない健康事業の提供
（スキンケア・アイケア＋内服・・・、マスチャネル＋百万人規模の顧客）
５、ロートグループ全体の人材・地域・事業・チャネルの多様性・バランスの向上
