東北大学大学院情報科学研究科および加齢医学研究所認知行動脳科学研究分野細田研究室は、脳科学に関する最新の知見を子育てや教育などの観点から発信するYouTubeとInstagramのアカウントを開設する。
これに伴い、同研究室代表の細田千尋(東北大学大学院 情報科学研究科 加齢医学研究所脳科学研究部門 准教授)が、子育て世代の皆さんに向けて、脳科学の視点から子育ての悩みや疑問について説明や助言を行う動画『子どものワガママには意外な理由があるんです【脳科学で考える子育ての話】』を3月4日より公開している。
同動画は、子育て世代の方々に知って欲しい「子どもへのほめ方」「わがままへの付き合い方」「外遊びの重要性」「スマートフォンとの付き合い方」といったテーマや、最近メディアなどでも取り上げられる「親ガチャ」のような話題について脳科学の視点から説明と助言を行うもの。
発達過程にある子どもの脳と行動の特性や、子どもが得意とすることを伸ばしていくなど個性を見つけていく接し方、自己肯定感を育むためのヒントなどを、質問に答える形式でわかりやすく説明している。
また、核家族化が進む中で子どもがよりよく生きられるように、社会全体で子育てに取り組むことについても触れている。動画の概要は次の通り。
◆タイトル:『子どものワガママには意外な理由があるんです【脳科学で考える子育ての話】』(14分30秒)
◆公開開始日 : 3月4日(月)15時
◆公開先 :
・東北大学大学院 情報科学研究科 細田研究室YouTube
◆URL:https://www.youtube.com/@chihiro_hosoda_official
◆動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=-oQ9pp1KO0M
◆出演 : 細田千尋氏(東北大学大学院 情報科学研究科および加齢医学研究所 認知行動脳科学研究分野 細田研究室代表、東北大学大学院情報科学研究科 加齢医学研究所脳科学研究部門 准教授)
内容 :子どもの賢さはどのように決まるのか/子どもの賢さの見つけ方/勉強ができない子への向き合い方/よいほめ方・悪いほめ方・よい褒め方を続けるとどうなるか・よいしかり方/わがままへの付き合い方/外遊びの重要性・空間把握能力を高める遊びとは/スマートフォンとの付き合い方/子どもが「親ガチャ」と言う時の対処の仕方/細田研究室が取り組む子どもを守るための研究
東北大学大学院情報科学研究科細田研究室では、次の研究テーマに取り組んでいる。
<研究テーマ>
①脳科学×最先端テクノロジー ~多様な個性に合わせた目標達成支援によるウェルビーイング~
英語・プログラミング・読解力などの勉強、教育、スポーツ、IOT技術への適応、健康長寿社会に向けた健康行動、リハビリなど、あらゆる分野での「成功・目標達成」には、素質だけでなく、やり抜く力 GRIT・意志力・メタ認知が必要である。また、特に教育では創造性や論理的思考の育成が必須となっている。
細田氏らは、従来定量的に知ることのできなかったこれらの個人特性や能力素質を、脳特徴量から定量化することを目指している。幼児期のどのような教育・養育が子どものウェルビーイングや認知能力・非認知能力の向上につながるか科学的に検証し、経験ベースではなく、科学的な根拠に基づく子どもの能力開発法や養育法の確立を目指している。
IoT技術の活用や行動経済学に基づき、行動変容と脳可塑性(脳の構造的変化)を促進するエビデンスベースのパーソナライズ能力向上と目標達成支援法の確立を目指す。この個人最適化支援がウェルビーイングにつながることも明らかにしていく。
②東北大学発 ウェルコミュニティ実現に向けた取り組み
~子ども・女性・高齢者を中心としたウェルビーイング実現のためのコミュニティ~
現在の日本の抱える問題として、子どもの精神的幸福感が低く、女性の社会進出や幸福感が低いことがG7でも言われている。子ども・女性・高齢者のウェルビーイングの向上のためのエビデンスベースでのウェルコミュニティの機能要件解明を目指す。
多様な人が互恵的な人間関係を構築するための要件を心理学・社会学的調査、脳科学的アプローチから明らかにし、現代に即した子どもや女性、高齢者のセーフティーネットとして機能するコミュニティを作成していく。コミュニティの効用を、脳機能、脳構造、生体情報、心理学的変化から明らかにしていく。