カボテグラビル超長時間作用型製剤 P1試験で好結果 塩野義製薬

 塩野義製薬は7日、カボテグラビル超長時間作用型製剤(CAB-ULA)について、P1試験で良好な結果を得たと発表した。
 同社がグラクソスミスクラインおよびファイザーとともに資本参加しているヴィーブ社が公表したもの。
 同試験の良好な結果を受けてヴィーブ社は、HIV予防を適応とした超長時間作用型カボテグラビルの登録研究を開始している。
 また、治療適応においても、他の治療薬との併用による臨床試験を開始する予定である。
 CAB-ULAは、4ヵ月以上に1回の投与でのHIV治療と予防を目指して開発を進めている注射剤だ。既に欧米を中心にグローバルで承認されている1ヵ月または2ヵ月に1回の投与でHIVの治療を可能とするCabenuva(カボテグラビルおよびリルピビリン)および予防を可能とするApretude8-9に含まれるカボテグラビル200mg/ml筋注(CAB200)と比較して、より半減期が長く、投与間隔の延長を実現することができる。
 今回、良好な結果を発表したP1試験は、70人の健康成人を対象として、CAB-ULAとCAB200の薬物動態、安全性を比較することで、CAB-ULAの投与間隔を評価するために実施された試験である。
 結果として、CAB-ULAはCAB200と比較して半減期が2倍長く、4ヵ月以上に1回の投与で2ヵ月に1回投与のCAB200と同程度の薬物血中濃度を維持できることが示された。また、良好な忍容性と安全性が確認され、試験中止に至る有害事象は認められなかった。
 これらの結果から、CAB-ULAは4ヵ月以上に1回の投与でHIV治療と予防が可能となることが示唆された。
 なお、同件が2024年3月期の連結業績予想に与える影響は軽微である。

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