開発途上国に蔓延する感染症の治療目指して
田辺三菱製薬は26日、グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)の活動第3期となる2023年度から2027年度までの5年間に対し、総額1億円の資金拠出を行うと発表した。資金拠出は、GHIT Fundの「グローバルヘルスに貢献する」という趣旨に賛同したもの。
GHIT Fundは、日本政府(外務省、厚生労働省)、製薬企業などの民間企業、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカム、国連開発計画が参画する国際的な官民ファンドで、日本発の官民パートナーシップとして2013年に設立された。世界の最貧困層の健康を脅かすマラリア、結核、顧みられない熱帯病(NTDs)などの感染症と闘うための新薬開発への投資、ならびにポートフォリオ・マネジメントを行っている。
治療薬、ワクチン、診断薬を開発するために、日本の製薬企業、大学、研究機関の製品開発への参画と、海外の機関との連携を促進。日本の製薬企業などが保有する高い科学技術の知見を活用した新薬研究開発力によって、グローバルヘルスに対する日本の国際貢献の強化を目指している。
田辺三菱製薬は、GHIT Fundの活動に対し第1期および第2期において合計1億4000万円の資金拠出をしてきた。また、GHIT Fundによる助成やパートナーシップを活用し、新規作用機序抗マラリア薬の前臨床候補物質創出をめざす共同研究や、顧みられない熱帯病(シャーガス病)を標的としたリード化合物の創薬研究を進めている。
同社は、取り組むべきマテリアリティの中で、“医療アクセスの向上”を掲げている。アンメット・メディカル・ニーズに応える医薬品の創製とともに、GHIT Fundへの参画などを通じ開発途上国の感染症治療アクセス向上に貢献することで、病と向き合うすべての人に希望ある選択肢を提供していく。