日本イーライリリーは18日、抗ヒト IL-13 モノクローナル抗体製剤「イブグリース皮下注」について、同日、厚労省から「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」を効能・効果に製造販売承認を取得したと発表した。
イブグリースは、インターロイキン(IL)-13に結合するIgG4モノクローナル抗体で、IL-13に結合することにより、IL-13受容体複合体(IL-4Rα/IL-13Rα1)の形成と、それを介したIL-13シグナル伝達を特異的に阻害することで作用する。
IL-13の内在化に関与するIL-13受容体α2サブユニット(IL-13Rα2:デコイ受容体)に対するIL13の結合は阻害しない。
同剤は、レブリキズマブ(遺伝子組換え)として、通常、成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児に対し、初回及び2週後に1回500mg、4週以降は1回250mgを2週間隔(Q2W)で皮下投与するが、患者の状態に応じて4週以降、1回250mgを4週間隔(Q4W)での皮下投与が可能である。
今回のイブグリースの承認は、主に2つの海外P3相単剤療法試験(ADvocate1試験、ADvocate2試験)、海外P3相併用療法試験(ADhere試験)、海外P3相長期継続試験(ADjoin試験)、ならびに国内P3相併用療法試験(ADhere-J試験)の有効性および安全性の結果に基づいている。
国内P3相併用療法試験(ADhere-J試験)では、16週時に治験担当医師による総合評価(Investigator’s Global Assessment: IGA)スコアが0又は1、かつ、ベースラインから2ポイント以上の改善(IGA(0,1))を達成した被験者の割合及び、16週時にEczema Area and Severity Index(EASI)スコアでベースラインからの75%以上の改善(EASI-75)を達成した被験者の割合を主要評価項目としている。
両主要評価項目において、レブリキズマブQ2W投与群及びQ4W投与群では、プラセボ投与群と比較して改善を達成した被験者の割合が高く、統計学的な有意差が認められた。
◆ロータス・モールブリス日本イーライリリー自己免疫事業本部長のコメント
本日承認されたイブグリースを、日本のアトピー性皮膚炎患者さんへ新たな治療選択肢としてお届けできることを、大変嬉しく思う。
患者さんの状態に合わせて4週間隔での皮下投与が可能なイブグリースは、既存の治療で効果がなく、持続的な症状の緩和を必要とされている患者さんにとって、重要な選択肢の一つとなるだろう。
イブグリースを通じて、一人でも多くのアトピー性皮膚炎患者さんが、症状による制限のない生活を実現されることを願っている。