米国でiPS細胞を用いたパーキンソン病治療の医師主導治験開始 住友ファーマ

 住友ファーマは26日、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UC San Diego)の Sanford StemCell Institute CIRM Alpha Clinic が、iPS 細胞由来ドパミン神経前駆細胞を用いたパーキンソン病治療に関する医師主導治験(P1/2)を開始すると発表した。
 10月に米国FDAに申請していた同治験のIND(Investigational New Drug Application)の30日調査が完了し、治験開始の準備が整ったもの。
 日本では、2018年より京都大学医学部附属病院が、CiRAの髙橋淳教授らの研究グループの開発した同治療法の安全性と効果を確認するため、医師主導治験を実施している。この治験に関与している研究者は UC San Diego の同治験関係者と情報交換を行ってきた。
 米国で実施される治験では、京大病院の治験と同様に、iPS 財団が iPS 細胞ストックプロジェクトで提供しているiPS細胞(QHJI ドナー由来)を使用し、住友ファーマがドパミン神経前駆細胞を国内で製造したうえで UC San Diego に提供する予定である。
 住友ファーマは、本治験の実施に要する費用の支援も行う予定で、同治験のデータを今後の米国での同治療開発に利用する。
 再生・細胞医薬分野の技術・ノウハウを一日も早く世界中の患者に届けるため、住友ファーマ、CiRA、iPS財団が連携して同治療の実用化に向けて取り組んでいる。海外での実用化を目指し、同治験と並行して、住友ファーマによる企業治験の早期開始に向けた準備も進められている。
 米国でのiPS細胞を用いた治験概要は、次の通り。

◆被験製品:CT1-DAP001
◆開発段階:P1/2
◆対象:パーキンソン病
◆治験デザイン:(目標症例数)単施設、非盲検、非対照(7 例)
◆主要評価項目:安全性(有害事象の発現頻度と程度)
◆副次評価項目:有効性(運動症状評価 他)

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