不正試験問題で大阪府と福岡県から業務改善、厚労省から総括製造販売責任者変更命令 沢井製薬

 沢井製薬は22日、胃炎・胃潰瘍治療薬テプレノンの品質検査不正問題で、同日、本社所在地の大阪府と工場のある福岡県から業務改善命令、厚生労働省から総括製造販売責任者の変更命令を受けたと発表した。
 違反内容は、同社九州工場で、2015年から8年間の長期に渡って、テプレノンカプセル 50mg「サワイ」の溶出試験において、新しいカプセルに中身を詰め替えて府政の試験を行っていたというもので、福岡県から業務改善命令を受けた。
 大阪府からは、2015 年5月から2023年4 月まで、安定性モニタリングの溶出性試験において、カプセル剤皮を新しいものに詰め替えるという不適切な方法により試験が行われていたが、製造販売業者としてこの行為を認識せず、同工場における適正な製造管理及び品質管理を確保できていなかったことなどから業務改善命令が出された。
 厚労省は、同社総括製造販売責任者が、同不正行為が継続的に行われていたにもかかわらずこれを検知できる体制を構築せず、品質管理業務を適正に行わなかったため、総括製造販売責任者の変更命令を出した。
 これらの処分を踏まえて沢井製薬は、澤井光郎会長が月額報酬50%、村元彦社長が同25%、他の役員3名も不正の責任をとって役員報酬の減額をそれぞれ半年間実施する。また、寺島徹取締役専務執行役員信頼性保証本部長は来年1月1日付で辞任する。サワイグループホールディングスにおいては、取締役を辞任し、専務執行役員から常務執行役員に降格処分を受けた。

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