アンジェスは20日、「ワクチン生産体制等緊急整備事業」で交付され前受金として計上していた助成金25億8700万円を営業外収益(補助金収入)として計上したと発表した。
同助成金の営業外収益への振替は、人新薬・未承認薬等研究開発支援センター(PDSC)による調査、審査によって適正な執行の確認が取れ、助成金額が確定したため。
アンジェスは、2020年度から、新型コロナウイルス感染症向け DNA ワクチン開発を進めていたが、同ワクチンの大量生産に向けて、厚生労働省が公募した「ワクチン生産体制等緊急整備事業」に採択され助成金を交付された。
当該助成金は、基金管理団体であるPDSCから同社に交付されていたが、助成金の使用状況等が適切であるかの調査が2022年12月期連結会計年度末において未確定であったため、前受金に計上していた。
その後、アンジェスは、本年9月のPDSCによる調査、審査により適正な執行の確認が取れたことで助成金額が確定したため、前受金として計上していた助成金25億8700万円を営業外収益(補助金収入)に振替えたもの。
同事業はアンジェスからタカラバイオに生産設備等構築の委託を行っていたが、残余額が発生したことから未使用の助成金の概算12億円はタカラバイオから入金を受けて、PDSCに返還する。
また、同事業で支出した消費税は、既に仕入れ税額控除を受けており、タカラバイオ及び同社分を合わせ総額で概算5億円をPDSC に返還する。
なお、アンジェスが前受金に計上した助成金には未使用の残余額はなく、当該会計処理により、新型コロナウイルス感染症向け DNAワクチンの開発に関する助成金の会計処理はすべて完了した。
なお、当該営業外収益については、2023年12月期通期業績予想に織り込んでいたため、業績予想に変更はない。