アルツハイマー病ワクチン「抗リン酸化タウ抗体誘導ペプチド」の研究開始 ファンペップ

 ファンペップは27日、アルツハイマー病(標的:リン酸化タウ蛋白質)ワクチン「抗リン酸化タウ抗体誘導ペプチド」の研究を開始したと発表した。
 同研究は、大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄附講座との間で行っている抗体誘導ペプチド(ペプチド治療ワクチン)に関する共同研究の新規研究テーマとして実施するもの。
 世界的な高齢化の進展に伴い、認知症の患者数は、世界では2019年における5500万人から2050年には1億3900万人へ、日本でも2012年における462万人から2025年には約700万人と増加するものと予測されている。
 また、要介護者において介護が必要となった主な原因の第一位が認知症(23.6%)であるため、認知症患者の増加は、患者に加えてその介護に携わる家族等の負担増大にも影響を及ぼしている。
 認知症の中で患者数が多いアルツハイマー病の治療には、認知症の症状進行を抑制する対症療法の薬剤(コリンエステラーゼ阻害薬や NMDA 受容体拮抗薬)が使用されているが、疾患の原因に作用して疾患の進行を抑制する根本的治療法の薬剤は最近までなかった。
 このため、世界の数多くの製薬会社及びバイオベンチャー企業は、アルツハイマー病患者の脳内に蓄積して神経細胞を障害する2 つのタンパク質「アミロイドβ」「タウ」を標的とする根本的治療薬の研究開発に取組んでいる。
 こうした中、ここ数年間においてアミロイドβを標的とする治療薬開発が大きく進展し、2023年に米国及び日本で抗体医薬品が薬事承認を取得した。これに伴い、アミロイドβとともに根本的治療薬の標的であるタウに着目した新規治療薬開発にも注目が高まっている。
 大阪大学大学院医学系研究科武田朱公寄附講座准教授(臨床遺伝子治療学)らの研究グループは、アルツハイマー病の病態解明と根本的治療法の研究に取り組んでいる。
 アルツハイマー病患者の脳内では、(神経細胞を障害する)過剰にリン酸化されたタウの凝集体が特定の脳領域から徐々に脳全体に広がることが知られている。この病態を説明する仮説として、病的構造を持ったタウが神経細胞間を移動するという「タウ伝播仮説」が提唱されている。
 研究グループは、患者の脳内に存在し、タウ伝播を介在するタウ分子種(高分子量リン酸化タウ)を世界に先駆けて同定してその生化学的な特徴を明らかにしてきた。この知見にもとづき、タウ伝播を抑制するアルツハイマー病ペプチドワクチンの研究を行っている。
 こうした背景のもと、ファンペップは抗体誘導ペプチド技術(ペプチド治療ワクチン)を用いた医薬品開発の知見にもとづき、大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄附講座との共同研究により、タウ伝播を抑制する抗リン酸化タウ抗体誘導ペプチドの研究開発を行い、アルツハイマー病に対する新規根本治療薬開発を目指していく。
 なお、同研究開始による当期業績への影響は、第3四半期決算短信で公表した研究開発費見込額に織り込み済みである。

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