サイトメガロウイルス感染症治療薬「maribavir」 日本で製造販売承認申請 武田薬品

 武田薬品は17日、pUL97キナーゼ阻害剤 「maribavir(TAK-620)」について、「臓器移植(造血幹細胞移植も含む)におけるサイトメガロウイルス感染症の治療」を効能効果として、厚労省に製造販売承認申請を行ったと発表した。
 今回の製造販売承認申請は、主に日本人の造血幹細胞移植(hematopoietic stem cell transplant、HSCT)または固形臓器移植(solid organ transplantation、SOT)患者でサイトメガロウイルス(CMV)感染・感染症を対象とした国内P3非盲検試験(NCT05137717)およびHSCT又はSOT患者で既存の抗CMV治療に難治性又は抵抗性のCMV感染・感染症を有する患者を対象とした海外P3盲検試験(NCT02931539)に基づくもの。これらの試験において、臓器移植後のCMV感染症の治療薬として有効性と安全性が評価された。
 CMV感染症は、移植後の患者に最もよくみられる感染症の一つで、移植後に感染又は再活性化すると、移植臓器の喪失などの深刻な状態になる可能性がある疾患である。
 maribavirは、経口投与可能なpUL97キナーゼとその天然基質を標的として阻害する最初で唯一の抗CMV化合物である。

◆梶井靖武田薬品R&D Japanリージョンヘッドのコメント
 移植後のCMV感染症は、移植臓器の喪失や最悪の場合は死に至ることもある疾患で、多くのアンメットニーズがある。maribavirは、経口投与可能で患者さんの負担を軽減することが期待される。maribavirを新たな治療選択肢としてお届けできる日を心待ちにしている。

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