塩野義製薬とダイバーシティ&ヘルスケア領域での研究開発と事業化に取り組むピクシーダストテクノロジーズ(PxDT社)は13日、両社で共同開発した日常生活を送りながら認知機能ケアできる可能性のある音「ガンマ波サウンド」が、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSのクリエイティブイノベーション部門でゴールド賞、およびICCサミット賞をダブル受賞したと発表した。
ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSとは、あらゆる領域におけるクリエイティブを対象としたアワードで、1961年から続く広告賞「ACC CM FESTIVAL」を前身としている日本最大級のアワードだ。
クリエイティブイノベーション部門は、イノベーティブで創造性が高く、世の中を変える可能性があるプロジェクトや事業を表彰する部門である。
一方、ICCサミット賞は、革新性や有用性などの観点から優れていると判断された活動に対してクリエイティブイノベーション部門のパートナー企業から送られる「CI PARTNERS賞」のうちの一つである。
PxDT社と塩野義製薬は2021年より、感覚刺激による脳のリズム活動の変化に着目した新しいサービスの開発に向けた共同研究に取り組んでいる。
塩野義製薬とPxDT社が共同開発した「ガンマ波サウンド」は、テレビやラジオなど、日常のあらゆる音をリアルタイムに40Hz変調を施すことで、日常生活を送りながら認知機能ケアできる可能性のある音である。
40Hzの周波数は、ヒトが記憶や推論などの問題解決型の思考をしているときに現れる脳波「ガンマ波」と同じ帯域であり、認知機能障害時には、脳内で認知機能を発揮するのに必要とされる脳の特定のリズム活動(ガンマ波)が低下していることが特徴の一つとして報告されている。
40Hz周期の音の呈示によって、マウスの認知機能が改善した研究結果や、ヒトを対象とした臨床試験においても認知機能悪化の抑制や脳萎縮の抑制を示唆する研究結果が得られており、40Hz周期の音は世界的に注目をされている。
一方、これまでの研究で用いられた40Hz音は音声情報などを含めることの出来ない単調なパルス音であり、毎日聞き続けるのは難しく、日常生活の中に取り込みづらい可能性があった。
この課題を解決するため、塩野義製薬とPxDT社は、テレビやラジオなどの音をリアルタイムに40Hz変調を施すことができる特殊な技術、ガンマ波変調技術を用いた「ガンマ波サウンド」を開発した。
塩野義製薬とPxDT社は、今後も「音刺激による脳活性化および認知機能改善」に向けたエビデンス構築と共同研究をさらに推進していくことで、患者さまや社会の抱える困りごとの解決に向けた新たなソリューションの提供に向けて引き続き取り組んでいく。