第一三共は23日、ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062、抗TROP2抗体薬物複合体[ADC])とデュルバルマブ(免疫チェックポイント阻害剤)の併用療法について、トリプルネガティブ乳がん一次治療を対象としたグローバルP1b/2試験(BEGONIA)の最新データを公表した。
同データは、欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2023)で発表したもので、有効性については、前治療歴のない進行または転移性のトリプルネガティブ乳がん患者62名において、客観的奏効率は79%(完全奏効6名、部分奏効43名)で、奏効はPD-L1の発現レベルに関わらず認められた。
また、無増悪生存期間の中央値は13.8ヵ月、奏効期間の中央値は15.5ヵ月であった。
安全性について、併用療法による新たな懸念は認められなかった。グレード3以上の有害事象は57%の患者にみられた。間質性肺疾患(ILD)については、ILD外部判定委員会により3名(グレード1が1名、グレード2が2名)が薬剤と関連のあるILDと判定され、グレード4および5(死亡)は認められなかった。
第一三共とアストラゼネカは、トリプルネガティブ乳がん治療に新たな選択肢を提供できるよう、同試験および現在進行中のP3試験(TROPION-Breast02およびTROPION-Breast03等)を通じて、同剤の単剤療法およびデュルバルマブ併用療法の開発を加速させていく。