ダトポタマブ デルクステカン 非小細胞肺がんP3試験中間解析で無増悪生存期間延長、全生存期間は未達 第一三共

 第一三共は24日、ダトポタマブ デルクステカンについて、非小細胞肺がん患者への二次/三次治療を対象としたP3試験(TROPION-Lung01)の中間解析において、主要評価項目の一つである無増悪生存期間を有意に延長し、もう一つの主要評価項目である全生存期間については未達であったと発表した。
 同データは、欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2023)で報告したもの。有効性について、Actionable遺伝子変異の有無を問わず、前治療歴のある進行または転移性非小細胞肺がん患者(604名)において、同試験の主要評価項目の一つである無増悪生存期間の中央値は、同剤投与群は4.4ヵ月、ドセタキセル投与群は3.7ヵ月で、同剤投与群はドセタキセル投与群に対し病勢進行または死亡リスクを25%低下させ、統計学的に有意な改善を示した。
 もう一つの主要評価項目である全生存期間については、同剤投与群はドセタキセル投与群に対し改善傾向が認められたものの、同中間解析時点では統計学的に有意な改善を示しておらず、引き続き評価が継続される。
 客観的奏効率は、同剤投与群299名の26.4%に対し、ドセタキセル投与群305名において12.8%であり、奏効期間の中央値は本剤投与群の7.1ヵ月に対し、ドセタキセル投与群で5.6ヵ月であった。
 また、非扁平上皮非小細胞肺がん患者(461名)を対象としたサブグループ解析における有効性は、主要評価項目である無増悪生存期間の中央値は、同剤投与群229名は5.6ヵ月、ドセタキセル投与群232名は3.7ヵ月で、同剤投与群はドセタキセル投与群に対し病勢進行または死亡リスクを37%低下させ、臨床的意義のある改善を示した。
 客観的奏効率は、同剤投与群の31.2%に対し、ドセタキセル投与群で12.8%であり、奏効期間の中央値は本剤投与群の7.7ヵ月に対し、ドセタキセル投与群で5.6ヵ月であった。
 安全性については、新たな懸念は認められなかった。グレード3以上の薬剤に関連した有害事象は、同剤投与群で25%、ドセタキセル投与群で41%の患者にみられた。
 間質性肺疾患(ILD)について、ILD 外部判定委員会により薬剤と関連のあるILDと判定された事象は、グレード3以上のILDは同剤投与群で3%、ドセタキセル投与群で1%の患者に認められた。
 また、同剤投与群のうち7名(2%)が同剤と関連のあるグレード5(死亡)と判定された。
 欧州臨床腫瘍学会では、ダトポタマブ デルクステカンの非小細胞肺がん患者を対象としたP2試験(TROPION-Lung05)のデータについても報告された。
 TROPION-Lung05では、有効性について、Actionable遺伝子変異を有する、前治療歴のある進行または転移性非小細胞肺がん患者137名において、主要評価項目である客観的奏効率は35.8%(完全奏効 4名、部分奏効45名)であった。
 病勢コントロール率は78.8%、無増悪生存期間の中央値は5.4ヵ月であった。
 全集団のうち、EGFR遺伝子変異を有する患者78名においては、客観的奏効率は43.6%で、病勢コントロール率は82.1%であった。
 安全性について、グレード3以上の同剤に関連した主な有害事象は、口内炎(10%)、貧血(6%)等であった。
 ILDについては、ILD外部判定委員会により5名(4%)が本剤と関連のあるILDと判定され、グレード1またはグレード2が4名で、グレード5(死亡)は1名であった。
 第一三共とアストラゼネカは、世界中の非小細胞肺がん患者へ同剤を届けられるように、同試験結果に基づき、同剤の承認申請に向けた準備を進めている。

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