「バイオ×IT」領域での共同研究契約締結 電通とコニカミノルタ

 電通とコニカミノルタは11日、「バイオ×IT」領域での共同研究契約を締結したと発表した。
 共同研究は、「バイオ×IT」領域でのイノベーションを推進し、日本および世界の健康・医療・環境の分野に活用される、事業・サービス・技術の開発に向けて、共同で顧客企業に対するコンサルティングサービスを提供することを目的としたもの。
 主に「バイオモノづくり」「デジタルバイオデータUX」「ニューロサイエンス」領域において、新たな技術などの実現可能性の検討も行う。
 生物由来のマテリアルを用いて新しい技術を開発する「バイオモノづくり」は、IT技術やコミュニケーション手段と掛け合わせることで、医療技術などの進化や、化石燃料由来ではないエネルギーといった地球環境の負荷を軽減する技術への応用なども期待されている。
 また、デジタルバイオデータを収集・解析し、コミュニケーション手段と掛け合わせる「デジタルバイオデータUX」は、各個人の遺伝子情報や体質に合わせた治療と予防策を提供する個別化医療に用いられ、 脳の働きから学習を最適化する「ニューロサイエンス」は、ITと掛け合わせた新しいコミュニケーション手段などへの発展が注目されている。
 こうした新しい技術開発が盛んに行われている昨今、企業の技術開発を取り巻く環境は日々変化し、従来の企業の自社内のR&D部門で開発を行う方法だけでなく、スタートアップとの協業や他企業との協創といった新しい手法を取り入れることが盛んになってきている。
 電通とコニカミノルタは、双方の強みを生かす共同研究契約を通じて、中長期のテーマなど幅広い分野に共同で取り組み、顧客企業に対してアイデアの創発から具現化までを一貫してサポートする体制を構築し、ビジネス領域において革新的な技術のコンサルティングサービス提供を行う。
 同共同研究において、コニカミノルタは、主に技術職の人財と研究開発設備の提供を通して、要素技術の研究や技術の実用化、イノベーションマネジメントを支援する。
 一方、電通は、主にクリエイティブ職の人財を提供し、BXクリエイターの発想力を生かし、技術シーズを社会に役立つ形にするためのアイデアの創出や、ブランディング・コミュニケーション開発などを行う。
 特に、未来に対してのビジョンを描くアートディレクターを中心に、サービスデザイン、ビジネスデザインのスキルを持った事業変革領域のクリエイティブ人財が定期的に参加して支援する。
 また、スタートアップとの協業による、IT関連サービスや要素技術の拡張も図っていく予定だ。コニカミノルタの技術戦略統括部とイノベーション推進室からは、修士・博士の技術者および事業経験者が、電通からは、BXクリエーティブ・センターのクリエイターが都度案件に応じて参加する。
 さらに、著名な脳科学者約5名を含むBMI(ブレインマシーンインターフェース)スタートアップなどとも連携し、約20名のメンバーで活動する予定である。
 電通とコニカミノルタは、「バイオ×IT」領域における共同研究契約を通じて、イノベーションを推進し、顧客企業の新たな価値創出への貢献を目指す。

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