アッヴィは28日、リサンキズマブについて、新たな適応症となる中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者の治療薬として米国FDAおよび欧州医薬品庁(EMA)に承認申請を提出したと発表した。
FDAおよびEMAへの承認申請は、2つのP3試験であるINSPIRE寛解導入療法試験およびCOMMAND維持療法試験から得られたデータに基づくもの。
リサンキズマブについて、寛解導入療法試験における1200 mg IV投与群で12週時に、維持療法試験における180mgまたは360mg SC投与群で52週時に、プラセボ群と比較して有意に多くの患者が主要評価項目である臨床的寛解(Adapted Mayoスコアに基づき判定)を達成した。
さらに、寛解導入療法試験および維持療法試験の両方で、プラセボ群と比較してリサンキズマブ群でより多くの患者が主な副次評価項目である内視鏡的改善(内視鏡所見のサブスコアが1点以下で易出血性が認められない場合)および組織学的・内視鏡的粘膜改善(HEMI、内視鏡所見のサブスコアが1点以下で易出血性が認められず、かつGeboesスコアが3.1点以下の場合と定義)を達成した。
INSPIRE試験およびCOMMAND試験の安全性の結果は、様々な適応症を対象としたこれまでの試験で確認されているリサンキズマブの安全性プロファイルとおおむね一致しており、新たな安全性のリスクは認められなかった。
リサンキズマブは、ベーリンガーインゲルハイムとアッヴィの業務提携の一環で、アッヴィが世界的に開発と販売を主導している。
◆Roopal Thakkarアッヴィsenior vice president, development, regulatory affairs兼chief medical officer(M.D.)のコメント
潰瘍性大腸炎の治療法はこれまでも進展を遂げてきたが、この疾患の深刻な症状を緩和する方法を求めている患者さんを助けるため、新たな治療法のニーズが依然として存在する。
今回の申請は、炎症性腸疾患を抱える患者さんに貢献する我々の継続的な取り組みを示すもので、潰瘍性大腸炎の疾患管理のために新たな治療選択肢を提供できることを心待ちにしている。