武田薬品は29日、選択性経口のチロシンキナーゼ阻害薬「フルキンチニブ」について、前治療歴を有する転移性大腸がん(mCRC) に対する治療薬として厚労省に製造販売承認申請したと発表した。
同申請は、米国、欧州、日本およびオーストラリアで実施された国際共同P3試験(FRESCO-2試験)および中国で実施された海外P3試験(FRESCO試験)に基づくもの。FRESCO-2試験およびFRESCO試験は、前治療歴を有するmCRC患者を対象に、フルキンチニブ+最良の支持療法(BSC)群とプラセボ+BSC群を比較検討した試験になる。
いずれの試験においても全生存期間(OS)、および無増悪生存期間(PFS)において、統計的に有意かつ臨床的に意義のある延長が認められた。また、フルキンチニブの忍容性は良好であることが示された。
フルキンチニブは、2023年5月、米国FDAに新薬承認申請の優先審査に指定された。なお、FDAが設定した処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了目標日は本年11月30日。
また、本年6月には、欧州医薬品庁(EMA)への製造販売承認申請(MAA)が受理されている。
武田薬品は、中国以外での全世界を対象としたフルキンチニブの更なる開発、商業化、製造に関する独占的ライセンスを有している。なお、フルキンチニブは、中国ではHUTCHMED社(China)が開発・販売している。
◆Awny Farajallah武田薬品グローバル メディカル アフェアーズ オンコロジーヘッド(M.D.)のコメント
日本における大腸がんの罹患率は男女合わせて1位、その死亡数は2位と年々増え続けており、新たな治療オプションが待ち望まれている。欧米での申請に続き、日本においても、フルキンチニブの製造販売承認申請を通して、疾患に苦しむ患者さんに、この革新的な治療薬をお届けするための新たな一歩を踏み出せたことを嬉しく思う。