武田薬品は25日、20%皮下注用人免疫グロブリン製剤「キュービトル」について、無又は低ガンマグロブリン血症を効能・効果として厚労省から製造販売承認を取得したと発表した。
投与対象は、2歳以上の患者。
無又は低ガンマグロブリン血症は、原発性免疫不全症(PID)又は続発性免疫不全症(SID)による抗体が無い或いは低い状態で、重篤な感染症の再発リスクの増加を特徴とする疾患である。皮下投与の免疫グロブリン製剤の承認取得は、武田薬品として初めて。
今回の承認は、有効性、安全性、忍容性および薬物動態を評価するための、PIDの日本人患者を対象としたP3試験(NCT04346108)、ならびにPID患者を対象とした北米と欧州のP2/3試験(NCT01218438・NCT01412385)に基づくもの。
日本の患者17例を対象とした試験において、有効性および安全性が確認された。キュービトル投与期間中に、重篤又は重度の有害事象は報告されておらず、主な有害事象は、頭痛および注射部位腫脹各4例(23.5%)、注射部位紅斑3例(17.6%)であった。
これまでに同社が海外で実施した2つのP2/3試験においても有効性および安全性が確認されている。
日本においてはPIDの早期診断が課題であり、免疫グロブリンによる治療の実施は、世界の他の地域よりはるかに低い状況となっている。国内で血漿分画製剤(PDT)を必要とする患者は、今後数年で大幅に増加することが予想され、武田薬品は日本における標準治療を向上させ、同社のPDTポートフォリオをより多く日本に導入するために当局と協議を進めている。
◆廣田直美武田薬品PDTビジネスユニットR&D Japanリージョナルヘッドのコメント
世界30カ国以上で承認されているキュービトルが、無又は低ガンマグロブリン血症に対する当社初の皮下投与の治療剤として日本で承認されたことを嬉しく思う。
免疫不全症患者さんは、肺炎、敗血症およびその他の再発性感染症を含む重篤な感染症に罹患することが多く、免疫グロブリン補充療法はこれらの患者さんに対する標準治療である。血漿分画製剤を必要とされている患者さんに新しい治療選択肢を提供できることを誇りに思う。
◆Kristina Allikmets武田薬品PDTビジネスユニットR&Dヘッドのコメント
当社は、患者さんのアンメットニーズに対処するために、日本でのPDTへの投資を継続し、製品を拡大することで、歴史があり豊富な日本における取り組みを強化できることを誇りに思っている。
PDTの新製造施設への投資とともに、キュービトルの承認は、当社の幅広い差別化されたグローバルPDTポートフォリオを日本にもたらす今後10年間にわたる取り組みの最初の1歩となる。