世界が注目するフェロトーシス創薬に挑むフェロトキュアが入居 iCONM with BioLabs

川崎市産業振興財団は26日、同財団が運営するライフサイエンス系インキュベーターiCONM with BioLabsにおいて、世界が注目するフェロトーシス創薬に挑むスタートアップのフェロトキュア (本社:東京都、代表取締役 CEO:大槻雄士氏)が新たに活動を開始したと発表した。
 フェロトキュア社は、慶應義塾大学の研究成果に基づき設立された創薬開発を行うスタートアップである。「フェロトーシス」と呼ばれる細胞死のメカニズムに注目して、次世代の抗がん薬やその他疾患の治療薬の開発を行っている。
 フェロトーシスは、2012 年に報告された新しいメカニズムで、近年、がんや神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病など)などの様々な病態への関与が相次いで報告され、世界中で注目を浴びている生命事象である。
 特に、がん領域に関して、フェロトーシスとの関連が多く報告されており、このメカニズムを活用した抗がん剤は、次世代のがん治療法として期待されている。現在、フェロトキュア社では、基礎実験にて有効性の高いデータを取得しており、今後、iCONM with BioLabsで非臨床試験のデータ取得を進め、今年度内に治験を開始できるよう準備を進めている。
 iCONM with BioLabs では、スタートアップの限られたリソースが最大限活かされるよう、研究開発に集中できる環境を提供している。例えば、同一施設内に細胞培養室からヒト疾患モデル研究室まで備え、各種実験委員も内部に組織されている。
 加えて、iCONM with BioLabsでは、スタートアップの成長のために、多様なコミュニティを形成している。iCONM 内の Peer-to-Peerのコミュニティから、米BioLabsとの連携によるグローバルなネットワークまで広く拡がる。
 2023年3月には、BioLabs と共同でグローバルピッチイベント“Global life-science pitch +mentorship event ”を開催した。フェロトキュア社も同ピッチイベントに登壇し、その後、米国投資家や創薬関連企業との個別面談に繋がった。
 これらiCONM with BioLabs独自のコミュニティによって、フェロトキュア社の世界での活躍を支援していく。

◆フェロトキュアのコメント
 今年度、我々はシードラウンドの資金調達を無事に完了し、また、様々な研究助成事業に採択していただいた。これから事業を加速するために必要な環境を考えた時、iCONM with BioLabsはとても魅力的であった。モデル動物を用いた実験を含め、様々な領域の解析および研究開発が可能な設備が整っており、それらを活用してより開発の幅を広げていきたいと考えている。 さらに、BioLabsや川崎市及びキングスカイフロントが持つ国内外のコミュニティを通じたネットワークの活用により、グローバルに弊社事業を拡大することを目指す。

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